お面の下で、汐はどんな表情をしていたのでしょうか。ささめきこと 第3話 『ファーストキス』 の感想です。
この作品、8割方が純夏の視点なんですよね。そうでないのは、1話の汐と図書委員の子のシーンと、2話の朱宮君のシーンくらいです。一方で、汐の心理描写は無くて、常に純夏からの視点で描かれているので、汐が考えていることはわかりません。純夏の視点で汐の言動にふりまわされ、やきもきするのが、この作品の楽しみ方でしょう。”キス練習”のシーンでも、お面の下の表情は伺い知ることができませんでした。後ろで組んだ手が、一瞬ピクッとしたのが気になります。
冒頭のキスを目撃したシーンは、純夏が腰が抜けたように座り込んで、それにあわせて汐が隣にしゃがんだ、という様子でしたが、あのとき重ねた手は、何を意味しているのでしょうか。やきもきするなぁ。
BGMが印象的ですね。音や楽器の少ない、隙間の多い曲が使われています。さらにセリフの量も少ないので、全体的に"音の隙間”があって、それが作品の空気感を表現しているのでしょう。オルゴールっぽい音が多用されるのは、ノスタルジーなのでしょうね。”夕陽に照らされた放課後の教室”なんて、ノスタルジーそのものです。あのウルトラマンのお面さえも、本当はコミカルなんだろうけど、ノスタルジックな小道具に見えてしまったり。
汐が5時半を指定したのは、それが彼女たちが冒頭のキスシーンを目撃した時間だからです。冒頭で、さりげなく時計が写っていました。あのキスシーンに憧れて、再現しようとする汐が可愛いですね。ズレてはいるけれども。
「チェストー」は薩摩藩の剣術、示現流の掛け声であり、本来空手とは関係ないと思うのですが、『空手バカ一代』で主人公が使っていて、純夏のはその影響でしょうか。それにしても、英単語の”chest”の第一義は”胸”や”肺”であって、”整理タンス”が最初に出てくるのは英語の先生っぽくないぞ。
悶々とした青い衝動をスポーツ(武道)で発散するのは、男ならばわかる気持ちですが、女子もそういうことあるのかな。純夏は女の子を好きになるくらいだから、中身がかなり男なのかも。
今回はほぼ全編が純夏の視点だったのですが、Bパート最後のシーンで、視点がふっと第3者の朋絵たちに移ったのが効果的でした。これから彼女たちの物語が始まる、ということでしょう。
ポチっとして頂けると励みになります!↓
「チェストー」って聞くと「ちぇりおー」という言葉を思い出します。ってそれは奇策士とがめですが。原作(刀語)読んでなくても来春わかるはずです。きっと。
それはそうと、純夏は自分の妄想では随分男っぽいですよね。少なくてもお姉さまという雰囲気ではなかったです。性同一性障害とかも絡んでくるならすごく深いアニメになるんですが、さすがにそこまではないでしょうか。
そう、純夏は思考形態が男っぽいんですよ。男性作者が書いてるせいかなとも思います。性同一性障害の話に持っているのは生々しすぎまて、ちょっと引くけれど、画期的ではありますね。
原作1巻のみ既読です。私はお金がある時にはすぐに我慢できなくなって(というか普段からそのキャラに会いたくなる)読んでしまう方ですので、以下、役割分業ということで、頼まれてもないのに余計な注釈をば…
「チェスト!」は、毎度こんな話題ですみませんが、やはり私たちと同世代でマンガ少年だったという倉田脚本らしい感じです。視聴中は何の気なしに見てたのに、ご記事で急に懐かしく、そして「ああ、そういうネタだったのか」ちなみに原作でのこのシーンの掛け声は「せいっ、せやっ」です。ウルトラマンの仮面は原作ではおそらく平成ウルトラの何かですが、アニメでは初代マンに変更されてましたね。これも、アニメ版の製作意図が、原作以上におっしゃるところのノスタルジーを刺激するところにあるのだろうと感じさせます
チェストの和訳は私は反射的に「落ち着いて頭を整理しろ」という皮肉にとってしまいました(笑)英語教科書の書名はG(C)ROWN。うちの近所の高校でも使ってましたが、まだあるんですかね
どういうめぐりあわせか、純夏みたいな感じで男っぽい女性は個人的に身の回りに多かったので(文化祭の警備で「荒らし」を男の後輩に排除させたら、なんで自分にやらせないかと食ってかかってきた女の子の後輩とかどんだけだー 笑)、違和感なくなごんで見てますが、こういうタイプの内的な葛藤が描かれて人気を呼び、アニメにまでなるというのはやはり時代を反映しているのかもしれません。近年、こういう作品は目立つようになっていると思います。むしろそういう方へのささやかな応援歌という趣もありますね
それでは失礼します
p.s.ところで昨日の私のコメントは言葉が足りなくてすいませんなのですが、執事学校の入学に身分の制限があるということはないようです。また、あらためて調べたところ、執事になるにも高貴な出自が必要であると言うのは、実情がそうであるというよりは、かつてそういうイメージも持たれていた(ないしは執事を世襲する家系が名誉ある血統である)ということのようですので、訂正させていただきます。ただ、あの仕事が「使用人」という範疇の印象にも関らず、西欧ではきわめて社会的ステータスの高い仕事であるというのは間違いないことのようですね。社会的に尊敬される仕事のようです
お面越しのファーストキス。やはりコミカルに受け取られてる方が多いようですね。良くてご指摘のようにノスタルジック。
原作既読組にはやや物足りないと思われた方多かったのでは?と思います。
原作ネタバレ無しとのことなので文言は書きませんが、あのシーンで原作では村雨さんのある心の声が入ります。その声なき声が、この作品の中で一、二を争う程の切なさなんです。
全体的には原作よりギャグ控えめ、なのに肝心なところは原作より浅い。今回は正直少しがっかりでした。次回は期待したいです。
刀語は近くの図書館で借りて読んでます(なぜか西尾維新作品が全部揃ってます)。確かに買うと高いですよね。他のラノベもこれぐらいの値段するんでしょうかね。
原作読んでからアニメを見るのと、アニメ見てから原作見るのって、確かに悩みますよね。どちらが良いのか一概に言えないのがまた難しいところです。私は続きが気になるアニメは、原作読んじゃいますね。
空手バカ一代といえば『そらのおとしもの』に毎回それっぽいパロディが挿入されてますよね(チョップ)。あと、「ちぇすとー」って、そもそも鹿児島で気合をいれるときの言葉みたいなんですが、言葉の語源がはっきりしない言葉みたいですね。
全然関係ないですが、執事学校は100万くらい出せば誰でも入学できると昔テレビでやってました(バリバリバリューとかそんな奴)。もちろんイギリスにある学校なので英語は必須ですが。
ではでは
”学生時代の「今思うと時間がゆっくり流れていたような気がする頃」の情感”というのは、言いえて妙ですねー。昼の3時から6時くらいの時間って、仕事をしているとあっという間ですが、学生時代の”放課後”はずいぶん長く感じたものでした。この見方はすごくいいので、今度使わせてください。
「チェスト」については深く考えずに書いたのですが、ノスタルジックな雰囲気の一部と言われればそうなのかもしれません。あのお面が"初代マン”だというのも、ナルホドのご指摘です。懐かしい感じがしたのはそのせいか。現役学生世代向けというよりも、学生世代にノスタルジーを感じる世代向けに訴えている、のかもしれませんね。
純夏が男っぽいというのは、汐のリップを見てムラムラするあたりでそう思いました。女性もムラムラするのかもしれませんが、それは謎なところです。
■時雨さんコメントありがとうございます!
”ファーストキス”のシーンは、かなりシュールな絵だなとは思いつつも、夕陽のエフェクトや音楽の効果もあり、それなりにきれいなシーンだと思いましたよ。原作ではさらに、切ないモノローグが入るのですか。興味があるので、いずれ原作を読んでみようと思います。
原作未読なのでなんとも言えませんが、時雨さんの言われるようにアニメの解釈が中途半端だとしたら、スタッフはこのアニメをどうしたいのでしょうね。僕は"ノスタルジック”というあたりに重点を置いている気がしています。
■綺羅さんコメントありがとうございます!
原作が先かアニメが先か、は人それぞれでしょうけれど、僕はもっぱらアニメを楽しみたくて、原作はその補完だと考えているので、やはりアニメが先ですね。書店で見ると買いたくなってしまうこともありますが、アニメが終わるまで我慢しています。
たしかに、”そらのおとしもの”の瓦割りやビール瓶チョップは"空手バカ一代”のパロディなのかもしれませんね。70年代くらいのネタが多いという意味で、この作品と共通点があるのかも。
執事学校って日本人でも入れるのですか。でも学校を出ても、執事として雇ってもらえるかは別問題で、家柄とかをチェックされそうです。