これは、プログラマーホイホイな作品ですね。よくわかる現代魔法 第1話 『hello, world』 の感想です。
タイトルからして、反応せざるをえないでしょう。プログラム言語はいろいろあり、その教科書も山のように出版されていますが、どの本であれ、最初の例題は『hello world』の表示と決まっています。そもそもは、カーニハンさんとリッチーさんの書いた『プログラミング言語C』という教科書の例題で、この本があまりに有名であることと、『hello world』という言葉の響きがなんとなく面白いことから、いつしか伝統になったようです。
つまりこのサブタイトルは、弓子が初めて魔法を使ったことと、それによって新しい世界が広がったことを掛けているのですね。野暮だけど解説しちゃいました。
『コード』という言葉に、馴染みの無い方は多いかもしれませんが、プログラマー(ソフトウエア技術者)はよく使います。「プログラムを書く」と「コードを書く(組む)」はほとんど同じ意味ですが、後者のほうが好まれますね。なんとなく玄人っぽいからでしょうか。あるいは短くて言いやすいからか。
でもなぜか、『プログラマー』と同義の『コーダー』という呼称は、あまり好まれません。「コードを書くしか能がない」というイメージがあるからです。仕様策定や基本設計など、コード書き以前の仕事のほうが上等とされています。
でも、そういう”上等な”仕事に忙殺されて、コードを書かないでいると技術者として腐っちまうぜ、というのは僕の持論です。手を動かしてモノを作らないと、本当のところはわからないものです。スーパープログラマーと言われた人々は、大きなプロジェクトを動かしながら、自分でもコードを書いているのです。コードを書くことは、コンピュータの祭祀たるソフトウエア技術者にとって、神聖な儀式なのだから。
と、、、つまり言いたいことは、コードを書くことで魔法を使えるとすれば、ずいぶん夢のある話だなと。『プログラマーのためのおとぎ話』なのかなと。
生のコードがちらっと映りましたが、C++言語で書かれていて、圧縮された音声データを解凍してミキサーに突っ込む、という処理みたいですね。こんなコードでいいなら、僕でも魔法が使えそうだ!
ある仕様を満たすコードを書くとして、書き方は無限にあり、書く人の個性が反映される余地があります。つまりコードは工業製品でありながら、アートの要素もあるのですね。『現代魔法』も、きっとそういう面があるのでしょう。今後、魔法バトルの描写があると思いますが、プログラマーの一般的なスキルが、戦闘力に反映するような描写があると素敵だなと期待しています。一般人は置いてきぼりになってしまうかもしれませんが…
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原作の表紙も『現代文学がこんなにわかっていいかしら』というある種のハウツー本を意識したところがあり、あなたも魔法が使える!と思わせるものになっていますね。アニメのおまけコーナーの「講座」も然りです
あの画面、本当にC言語ってやつで書かれてるんですね。なるほど、いや原作には画面は出てこないのですけど、凝ってるわー。ちなみに原作では確かに美鎖がC言語を(も?)使っているらしい描写があります
大人向けのセミハードSFだと、ご記事の後半でご要望のシーンもあるでしょうが、それほどカタイシーンは原作にはないですかね。しかしプログラマー同士の矜持を賭けたコンピュータ戦、コンピュータ上で不気味に発動する魔法プログラムの描写というのは原作で比較的早い段階でありますね。またご指摘のプログラマーの職業意識はむしろ人間ドラマに絡むと思います
原作通りなら、いろいろ「わからないだろう人に教えてあげたい」というところも出てくるでしょうから、よろしければレビューを継続されてください。わからないことをコメントで質問させていただきます、先生(笑)
それでは失礼します
画面に出たコードは、ちゃんと動くコードの一部みたいですね。あれ自体は魔法とは関係なさそうでしたが、一見関係なさそうに見えるコードが、実は魔法を生み出すというのはありそうな設定です。
”プログラミングを知っていればより楽しめる”要素があるとすれば、それを解説するのは僕の義務のような気がしてきました。なるべく感想を書きたいと思います。