今回特に注目したいのは、ルイスが『人類初のイノベイター』になったというところです。機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン 第20話 『アニュー・リターン』 の感想と考察。
ルイスは、リボンズのテクノロジーのおかげで、擬似GN粒子による細胞障害を薬で抑えつつ、イノベイターに進化したらしい。それで思い出させるのは、前回の刹那の件ですね。
刹那も、やはり擬似GN粒子のせいで細胞障害を起こしつつも、そこから復活し、リボンズに「まさか、変革を始めたというのか」と言わせしめていました。
ここで言う”変革”とは、僕の予想では『普通の人がイノベイター相当に進化すること』なので、この二つの事実からすると、『擬似GN粒子による細胞障害』 と 『変革(イノベイターになること)』には関連があるのでは、と思えてきます。
ここから例によって妄想なのですが、”細胞障害”というのは実は障害ではなく、『細胞が進化している』のではないでしょうか。
ガンダム00の世界では、腕がちぎれたくらいの怪我は『再生治療』によって治癒できるようです。古典SFの”レンズマン”で既に、脳の”松果体”を刺激することで、大怪我をしても脳さえ無事なら、体はトカゲの尻尾のように再生できる、という技術がありましたが、それに近いものでしょう。
人体の組織の再生力を刺激して怪我を治すのは結構なことなのですが、その場合、細胞のガン化には気をつける必要があるでしょう。ガン細胞は常に体内で作られていて、健康な人は免疫力によって排除しているのですが、人工的に代謝を高めている状態では、細胞のガン化も進みやすいはずで、ガン細胞が発生したらすぐに排除する仕組みがあるはずです。
で、擬似GN粒子に侵された場合なのですが、『細胞が進化しようとしている』状態を、再生治療装置は『異常な細胞の発生=ガン化』と判断して排除してしまい、結果として再生治療がうまくいかない、というのが僕の仮説です。
リボンズはもちろん心得ていて、”擬似GN粒子の毒性を弱める薬”みたいなことを言いつつ、実際にはそれは擬似GN粒子による細胞の進化を助ける薬であり、結果的にルイスは変革した=イノベイターになった、ということかもしれません。
刹那についてはよくわかりませんが、ソレスタルビーイングが所有している再生治療装置にはヴェーダ(イオリア)の息がかかっていて、世間一般の装置とは違い、擬似GN粒子による細胞の進化について知っていて、ガン細胞と誤判断しないのかもしれません。 もちろん、ダブルオーライザーの影響という可能性もあるでしょう。
追記:
コメント欄でチャゲさんに指摘されて気付いたのですが、”変革”がリボンズの目的だとして、人類をイノベイター化してリボンズに何の得があるのかということです。
今回、リボンズがルイスやアニューの精神を操っているような描写がありましたよね。リボンズにとって”変革”とは、人類を操り人形にすることであって、ルイスはそのテストケースなのかもしれません。
ルイスの新型モビルアーマー『レグナント』は、ビームが急角度で曲がってました。あれはどうなってるんでしょうか。
そもそも、MSやMAが撃ち合っているビーム砲ですが、あれはGN粒子のビームなんですよね、きっと。使いすぎると粒子が無くなるようですし。GN粒子には、ビーム砲用の粒子として都合の良い特性があるのでしょう。
いわゆる粒子ビーム砲に必要な性能は、”粒子を高速に撃ち出すこと”と、”粒子を遠くまで届かせること(拡散させないこと)”ですが、この二つを両立させるのは難しかったりします。
”高速に撃ち出す”には、電磁力を使って加速するのが効率が良くて、電子・陽子やイオンなど、極性を持つ粒子を使いたいところです。ところが極性を持つということは、粒子同士が反発しあうので、どうしても飛んでいるうちに拡散してしまい、射程が短いわけです。
中性子のような極性を持たない粒子は、拡散しないので遠くまで届きますが、これは加速するのが難しいのです。中性子ビームは、ビリヤードのように原子核に陽子ビームをぶつけて中性子をはじき出す方法で作られますが、四方八方に飛び散るので、ビーム砲に使うには効率が悪いでしょう。
GN粒子は、容易に加速できて、かつ拡散しにくいという夢の粒子のようです。バリアーにもなるので、拡散しにくいというよりは、ビームの形を保つような能力があると思えます。粒子を満たすための空間を曲げるくらいのことをしているのかも。
超ロングビームサーベルのトランザムライザーも、その”ビームを整形する技術”の一環なのでしょう。となると、それがさらに進歩すると、ビームを自在に曲げることもできそうな気はします。
でもこれは、案外脆弱なのかもしれません。攻撃側がビームを曲げられるなら、防御側もそれに介入してビームを曲げられるかもしれず、いきなり意味が無くなってしまいます。そういう展開は面白いと思うのですがどうでしょうか。
それにしても、このところイノベイターはいいところが無いというか、プライドが高いわりには負けっぱなしですよね。破滅の闇日記さんに、「アカギならリボンズを麻雀で倒せると思います。」 と書かれていて笑ってしまいました。 リボンズはあくまで「すべて予定通り」という顔をしていますが、これから本領発揮となるでしょうか。
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それだと刹那より進行しているラッセの方がイノベ化が進んでいる事になるのではないでしょうか?
むしろ
・イノベ化適正あり→進化(イノベ化)
・適正なし→障害となり命を蝕む
じゃないかなぁと
擬似GN粒子が多くの人にとって有毒なのは適性がないからで、自称優良種の彼ららしいかな、なんて妄想してみたりw
SF技術論、お詳しいですねぇ(^_^)
レンズマン…懐かしすぎます(笑)
今後も拝見させて頂きますので、よろしくお願い致しますm(_ _)m
追記・・・私が考えていたアニューとロックオンのトータルリコール展開説、みごとに外れてしまいましたね(笑)。
そういえば、ラッセも細胞障害があるのでした。でも彼の場合、そうなったのはCBが武力介入を始める前なので、擬似GN粒子とは関係ないのかもしれません。体質によって合わない人がいたりとか。
でも、言われてみれば気になります。
■ファングいけおさんコメントありがとうございます!
ニックネームで笑いました^^。
古くからのSFファンの方に楽しんで頂けているとしたら、とても光栄です。これからも楽しんで頂けるようにがんばりますので、時々茶々入れでもコメント頂けると嬉しいです。
■チャゲさんコメントありがとうございます!
リボンズが”変革”で何を狙っているのかですが、人類全体を公平に進化させることはイオリアの計画ではあると思うのですが、リボンズはちょっと違うのだろうと僕も思います。
チャゲさんの言われる、”人類を操る目的でのイノベイター化”は可能性として大アリなのでしょう。特に今回、ルイスの精神をリボンズが操っているような描写がありましたよね。イノベイター化した人はリボンズが自由に操れるのかもしれません。
>ラッセも細胞障害があるのでした。でも彼の場合、そうなったのはCBが武力介入を始める前なので、擬似GN粒子とは関係ないのかもしれません。←ラッセが細胞障害になったのは、一期最後にアルヴァトーレに特攻してGNアームズを破壊されたときに、アルヴァトーレの爆発に巻き込まれて汚染されたのでは? と私は考えていましたが・・・
あれ、まてよ、そうするとブシドーさんも汚染されてるのかな?彼がマスラオ操縦時に血を吐いたのは、Gによる影響だけではなく、細胞障害のせいなのか・・・ ならばサーシェスもツヴァイ爆発時の影響あり?
こんがらがってきました。
アニューの死に感情移入もできないし、ロックオンの悲嘆にも説得力がいまひとつ・・・。
刹那の、恨まれる覚悟の上での行為のほうに(もちろんロックオンを守るためでしょうが)より感じ入りました。
最初は刹那はただの感情的なアホガキかと(失礼)思ってたんですが。
トランザム発動の時のイオリアの言葉「君たちの意思で計画を遂行せよ」が、その少し前の刹那の決意を諾うものだったことで、そういうことだったかと思いました。
戦争によって多くのものを失い、限りない絶望と悲嘆を蔵して世界を変えたいと希求するものたち。
ティエリア(計画遂行者)以外のマイスターたちがみなそうであることに、イオリアがそういう人々に変革を託そうとした意思が見えます。
そして刹那はそのあまりに深い悲しみゆえ、代表選手(主人公)なのだと思ったのです。
刹那の変容も、イオリアの計画のライン上に彼がいることの証だと思います。
イオリアの計画とは、悲しみを乗り越えて変革を求める人の心が基盤であって、「人間以上」のイノヴェータたちの考えるものとはかなり違うものでしょうね。
まったく・・・年寄りを感傷的にさせる物語だわい。
>イノヴェータ
確かに最近いいとこ無しな気がしますね…特にリボンズは上から目線なので(苦笑)
せっちゃんは、細胞が進化してるんでしょうか?
リボンズはイノベイター限定で精神操作の能力があることがわかり、ますますミュール化してますね(笑)この調子だと愛に目覚めたりもしそうにないし、どういう結末が待っているのか興味津々です
それでは失礼します
擬似太陽炉の粒子とオリジナルの粒子では、もしかすると「似た機能も持つが特性に逆の面がある」のかも知れませんね?位相か何かが反転してるとか?
刹那は擬似GN粒子による細胞障害は起こしているけど、その進行がラッセより遥かに緩やかだとか。オリジナル太陽炉の粒子を多量に浴びてる為に、それが擬似GN粒子の影響を中和してるのでは?
影響を中和出来るとしたら、逆方向の作用があるということかも知れませんよね。
1期の終盤だったと思いますが、ラッセが体を機械化している理由を聞かれて、細胞障害があるので再生治療できない、みたいなことを言っていませんでしたっけ。記憶があいまいなのですが。
ブシドーも擬似GN粒子に侵されて、イノベイター化しつつある、というのはありそうですね。
■すなふきんさんコメントありがとうございます!
ロックオンとアニューの件が描き込み不足というのは、僕も全く同感ですね。あの二人が接近する過程が無かったので、ロックオンのこだわりっぷりに感情移入できませんでした。
あの件はアニューについて描きたかったというよりは、戦場で引き離された恋人たちの”バッドエンド編”として必要だったのでは。だから”ハッピーエンド編”も別口であると思いたいところです
刹那は、イオリアの計画のカナメであるダブルオーガンダムを任せられたことで、自覚が生まれて成長したのだと思いますね。役割が人を作るというやつです。
■夜裏さんコメントありがとうございます”
こちらこそ、いつもお世話になってます。
リボンズの余裕っぷりが、むしろ滑稽になりつつありますね。でもまだ”これから本気出す”ところなのかもしれません。
細胞の進化については、「そうだったら面白いな」という観点での予想で、あまりアテにはならないかもしれません。
■westernblackさんコメントありがとうございます!
もしかして医療についてご専門でしたか? あまり外していないとしたら良かったです。
リボンズはミュールなんでしょうかね、やっぱり。とすると第二は誰なのかってことになりますが、ヴェーダなのかなぁ…
■Edwowさんコメントありがとうございます!
Edwowさんのご意見を取り入れつつ、記事で書いたこととは少し違う仮説を考えました。
擬似GN粒子もGN粒子も、人間を”変革”させる力があるのだけれど、擬似GN粒子は純度が低いため、人体に入れた場合の拒否反応がより多く出るのかもしれません。
純粋なGN粒子を浴びることで、擬似GN粒子の毒性が薄められる、という可能性はありそうです。
初めてコメントします。
ルイスは2期開始当初から
所謂『強化人間』的な空気が漂っていましたね。
てっきり超兵にでもなったのかと思いましたが。
今回のロックオンとアニューの話は
イノベイターになったルイスと沙慈の今後の展開を視聴者に予見させるために出したんでしょうね。
「彼らもこうなるよ。」っていう暗示か
「こうなったけど彼らは違うよ」っていうカウンターか。
でも、他の人も指摘されていますが
ロックオンとアニューの別れを1つのエピソードのメインに据えるなら
二人の描写はもっと描いておくべきでしたね。
あれじゃ感情移入できないですよ。
あと、どうでもいいですけど
レグナントはアルヴァトーレの量産型だとばかり勝手に思っていました。
中からジムが出てこないかなあ。(笑)
僕も、ルイスがイノベイターというのはちょっと不意打ちでしたね。とはいえ、超兵とイノベイターとの境目は不明ですけれど。
ロックオンとアニューは、ルイスと沙慈の対照ケースとしてあるのだろうという見方には賛成です。ルイスたちは救いのある結末であってほしいですが。
レグナントの変形はアリそうですね。ヒロインのルイスの乗機ということでプラモ化されそうなので、その売り上げのためにも。