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ここは「魍魎の匣 第13話(最終回) 「魍魎の匣、あるいは人の事」 感想」 の個別エントリーです。
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最終回ということで、物語の核心についてのネタバレがありますのでご注意ください。 魍魎の匣 第13話(最終回) 「魍魎の匣、あるいは人の事」 の感想と総評です。

京極堂の言う魍魎とは、『囲われた領域の内側に沸くもの』『生と死の境界にあるもの』でした。匣館はまさに魍魎だし、その携帯版である『匣の娘』も魍魎です。魍魎に憑かれた3人の男が、美馬坂、天宮、久保 でした。関口も憑かれかかってたような…。

美しいものを、永遠にそのままの形で保存して独占したいという欲望あるいは執着。それがつまり、魍魎に憑かれるということなのでしょうね。それは不可能な、満たされることのない欲望でなので、行き着く先は狂気でしょう。

加菜子が死んでしまったのは残念。須崎の計画では、一時的に加菜子の匣を隠して、あとでまた戻すつもりだったろうけれど、匣に目がくらんだ天宮に強奪され、そのせいで干乾びてしまったのですよね…。結局、天宮が最も異常な気がしますが、彼だけが生き残ったのは皮肉な話。

「脳は鏡。機械で作られた脳が生み出すのは、機械の意識だ」 という京極堂の言葉は、「人間は脳だけあればよい」という美馬坂を全否定してひるませるために言ったのでしょう。でも、実際そうかもしれないとも思います。意識が脳内の現象なのかどうか、今の科学でも結論は出ていないのだし。

多くの人の愛憎と狂気が、『魍魎の匣』というキーワードに集まる構成は凄いと思うし、オチもありました。でも後味は悪いですね…。人間の醜さと狂気を浮き彫りにしたような話で、気が滅入るものがあります。これは趣味の問題ですけど。

最終回なので総評をやります。

ストーリー: 4点
前述のように、悲しくて不気味な結末であり、そういうところがあまり趣味ではないので少し減点ということで。ベストセラーだけのことはある、凄いストーリーだとは思います。

キャラクター性: 4点
京極堂はいいキャラですよね。京極道の家に集まってくる面子も、それぞれキャラが立っています。寄子も、あの不安定な感じが好きだったのですが…。

画: 5点
すごく動くわけではないけれど、クオリティが高く、特に美術が素晴らしいと思えます。

演出: 4点
劇中劇の幻想的な演出が特に好きでした。京極道のカッコよさもよく出ていたかと。

音楽: 4点
あまり印象に残っていないのですが、普通に良かったでしょうか。

総合的な評価: 4点
京極夏彦氏の小説は読んだことが無かったのですが(表紙が怖いので)、その世界を楽しむことができました。人気があるのは分かる気がします。間違いなくクオリティの高い作品ではあったし、「魍魎、あるいは人」について考えさせられました。

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