『イオリアの計画の全貌』について語られました。以前に書いた予想は当たっていたのかなと。機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン 第8話 「無垢なる歪み」 の感想と考察です。
1期の21話のエントリーで、「イオリアの計画は、世界をひとつにまとめて、外宇宙からの何か(異星人とか天変地異とか)に備えることでは」と書いたのですが、今回、リジェネ君が、まさにそういうことを言っていました。
私の予想の根拠は主に3つです。1つ目は、『ソレスタルビーイング』(以下CB)という名前ですね。直訳すると『天上人』ですが、それだと不遜すぎるので、私は『宇宙に生きる人』と訳すべきではと考えました。人類は地球に留まっていてはダメであって宇宙に出るべき、というイオリア・シュヘンベルクのメッセージと考えることができます。
2つ目の根拠は、シュヘンベルクの計画の進め方ですね。200年前から準備を始めて、その表向きの目的は「世界を一つにすること」だそうですが、ずいぶん気が長い話です。しかも、そんな平和な目的のわりには秘密主義が過ぎるなど不自然な点が多々。そもそも「世界を一つにする」ことが一時的には可能だとしても、永久には不可能であり、自分が死んだあとの「一時的な平和」を気にするのも妙な話です。ですが、「イオリアは二百数十年後に地球に迫る危機を察知したが、それを一般に知らせるとパニックになるので、限られた同志と秘密裏に準備を始めた」と考えると辻褄が合うわけです。
3つ目の根拠は、エイフマン教授の言葉です。彼はGNドライヴと木星探査計画を結びつけて考え、さらにそこから「イオリアの計画は戦争根絶ではない」と結論した。たぶん、木星探査計画で「外宇宙から来る何か」の証拠が見つかって、エイフマン教授はそれを知っていたのでしょう。だからイオリアの真の計画について気付くことができて、それゆえに「あなたは知りすぎた」とスローネ(黒幕はイノベイター?)に殺されたのではないか。
そんなわけで、いろいろスッキリしたのですが、疑問点はまだあります。その最大なものは、CBとイノベイターとのねじれ関係ですね。CBはイオリアからGNドライヴやガンダムを託されているので、表面上はイオリアの計画の正当な継承者ですが、でも計画の第2、第3段階については知らされていなかったらしい。ティエリアすら知らなかったようなので。
一方でイノベイターは、計画の第2、第3段階について知っていて、遺伝子操作されナノマシンで強化された、外宇宙に適応した種族であるらしい。これもイオリアの計画だとリジェネは言っていました。一方で、GNドライヴは擬似しか持ってないし、ヴェーダの高位のアクセス権もハッキングによって入手したのですよね。
イオリアは何を考えていて、どこまでが計画通りなのか。どちらが正当な計画の後継者なのか。いくつかの可能性は考えられますが、それはまたいずれということで。いろいろ妄想してみるのも面白いと思います。コメント欄での議論も歓迎ですよ。
あと、計画の第三段階での「来るべき対話に備える」というのが、何に対する対話なのかはまだ不明です。外宇宙から来るものとして、僕は異文明か天変地異と考えていたのですが、とりあえず後者は無いようですね。やはり異文明(異星人)なのでしょうか。
人間関係のほうも、いろいろ面白くなってきました。刹那君は、以前は変な奴と思っていましたが、最近はいろんなキャラクタと関わって物語を動かす、狂言回し的な役割をしっかりこなしているように見えます。今回彼が投げかけた波紋はどう広がっていくでしょうか。
Cパートの男、サーシェス君も気になります。ずっとCパートにしか出ないとしたら面白いんですけど。
ティエリアの女装?で、超人ロックを思い出した人は古いと思うんですよ。ナノマシンで女体に変成できたりするのかなぁ。グレッグ・ベアのSFにそういうのがあります。
支援メカのオーライザーも楽しみですね。ツインドライヴ安定運用の切り札になるのか。
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もちろん嘘かもしれませんが、もしそれが本当なら、イノベイターが人類を導く、というのはリボンズの捏造かもしれません。
前回のご返信でいただいた「イノベイターズはアシモフ的にミュールなのか?それともファウンデーション2なのか」というお話ですが
それぞれの要素を分解して再構成したという感じがします
ファウンデーションシリーズでもミュールは一見イレギュラーのように見え、確かに多くの不幸をもたらしながら
結局はセルダンの計画の一部であったことが示唆されているように思います。ミュールから次の段階へ進む鍵は、(…恥ずかしくないぞ!)彼が「愛」を知ってしまったこと…ああ、ティエリア!(落ち着け)
肝心の生物学的な説明が全然なくてお預けでしたが、しかし量産型はティエリアだけかと思ったら、リボンズにもいましたか。まあ、RX-78にも同型機はいますしね(笑)
セルダンの計画もいくつかの競合する勢力を競わせているように思わせるところがありましたし、イオリアの計画も、リジェネの言うことが当たっている部分があるとしてもそんなに矛盾してはいないのでは?と思いました(でも私の学生時代の友人に「あの小説のセルダン大嫌い、許せないと思う」という人がいました。同じようにイオリアも?)
でも議論大歓迎の挑発、いいですね。メルクマールさん。Mっ気もある私はぞくぞくしたり(コラ)
でも最近の某社の古典名作新訳文庫シリーズに「幼年期の終わり」が入ってたり、昨日本屋に行ったら万人向けのお勧め文庫フェアにホーガンの「星を継ぐもの]が入ってたり、SFファンにとってはラクな反面ちょっと複雑な気もします(笑)
ああ、グレッグ・ベアなんてしばらく読んでないです…。彼も人を興奮させるのがお得意ですよね
それでは失礼します
…もしかしたらイオリアさんはマクロスファンなのではないかと
思った今回。笑
そういえば、すっかり忘れてましたけど、
アレハンドロも「コーナー家の悲願」とかつて言ってましたよね。
もしかしたら王家もそういう感じでイオリア計画に関係しているのかな…。
確かに宇宙にフロンティアを開拓するのなら、不老のイノベイターが
必要なのかもしれませんが、
それ自体何か人間不信な部分があって、
人間を人工生命対の支配下におくべき計画だったのかとも疑問が残ります。
とにかく毎週色々面白くて、00は楽しいですね。やっと炭酸登場ですし♪
破棄という言葉は覚えが無いですが(ありましたっけ?)、拾ってくれた、とは言っていましたね。アレハンドロとリボンズがどう出会ったのかは興味があるところです。
リボンズやリジェネの言葉は、そのままは信じられないでしょうね。それに「イノベイターが人類を導く」については、イオリアの計画がそうだ、とは言ってないと思います。その部分は彼の意見という可能性は多いにあるでしょう。
■westernblackさんコメントありがとうございます!
ガンダム00はSFマインドにあふれていると思いますね。「こうなって欲しいな」という展開になってきたのでウキウキしています。
イノベイターは第二ファウンデーションなのか、ミュールなのか。前者ならば正当な計画の後継者で、後者ならば敵対因子(ただし予測されていた)ですよね。両方の要素があるのでは、という見方には同意します。
妄想ですけど、イノベイターは計画の一部として用意されていたけれど、本来は補助的な役割だったのではないでしょうか。あくまで”対話に備える”のは人類であるべきで、そのサポート役としてイノベイターがあったと。
でもリボンズたちはそれには飽き足らず叛乱を起こした。それが今の状態になります。人類なんかより自分たちがやるべきだ、ということですね。
でもその叛乱すらイオリアの計画だった、というのは? アロウズとかを使って人類を強引に統一する汚れ役はイノベイター(の叛乱分子)にやらせて、その後に彼らを悪役として表舞台に引きずり出し、CBがホワイトナイトとして人類を救う、というシナリオはどうでしょう。
■空想野郎さんコメントありがとうございます!
アレハンドロのことは忘れがちですよね。彼も含めて『コーディネーター』という人々が、イオリアの計画を遂行する立場だったはずですが、最近はめっきり影が薄いです。王留美はその一派の可能性は高いのでしょう。
イノベイターが『来るべき対話』の主役になる、というリジェネたちの言い分は僕も疑問があります。上にも書きましたが、イオリアの真意はそうじゃないのではと。
コーラサワー君、満を持して登場ですね。そのインパクトのわりに、1期ではあまりストーリーにからまなかったですが、彼はアロウズに染まらないだろうし、なにかやってくれそうな予感はあります。
今迄謎だった事が色々と判った回でしたね。
イノベイターとソレスタルビーイングの関係、仮にイオリアの計画がリボンズの言うとおりだと仮定した場合ですが、計画第一段階においてはイノベイターの活動を隠す囮、生贄だった。それであってソレスタルビーイングにオリジナル太陽炉やトランザムを渡し、イノベイター達には何も与えなかったのか。
この辺は多分イノベイター達が新人類に相応しいか試すための試験だったのではないかと思います。
アレハンドロのような利用できる奴を見つけられなければ彼等が中枢に入り込む事もなかっただろうし。
一方のソレスタルビーイングは旧人類の代表者であり、イノベイターに対するリトマス紙なんでしょうね。イオリアはどちらかと言うとソレスタによる変革を望んでいるようにも見えますが。
来るべき対話…木星で羽鯨でも見つけちゃったんでしょうか?
でもその頃には計画は始まっていた筈ですしね。探査衛星にでも引っ掛かったのかな?
個人的には、モレノさんの台詞、『ガンダムの支援機が二機完成した』がとてもすごく気になります、一機は00としてもう一機は?
やっぱりケルビムなんでしょうか。
何はともあれ、続きが楽しみです。長々と失礼しました。
しかし、拾ったとはどういうことなのか・・・。そもそもイノベイターを造った人間がいるはずですしね。うーむ・・・。
イオリアがCBにトランザム等を託したのは、自分の計画を止めて欲しい、という矛盾した感情が働いたのか。それとも人類を外宇宙に進出させる、ということが真の目的ではなく、リボンズもしらない裏があるのか・・・。
全くわからない(苦笑)
私にはSF的な知識がないので、稚拙な考察しかできず、申し訳ありません(汗
強引に敷衍して申し訳ありませんが、この展開だと、どうしても「イオリア=ラスボス」の可能性を考えてしまいますよね。あるいは.hackのように製造者の意思を誤解したコンピュータ「ヴェーダ」と刹那との最終対決とか、いくらでもパターンが考えられてゾクゾクします!どうかこういう想像をさえ超えてくれますように…
それはそうと、こちら以外でもファウンデーションシリーズと似ていると思う方は少なからずいらっしゃるようですね。思えばファーストはいわばハインラインの「宇宙の戦士」の現代日本的な「語り換え」であり(そのことは富野監督も趣旨としてはほぼ認めてらっしゃると思いますが)、その1世代も2世代も下った後裔があからさまに「宇宙の戦士」に反して(国家を超越したテロリストが主人公…!)ファウンデーションを下敷きにしたように見える作品で議論を巻き起こしているというのは感慨深い気がします(お前いくつだ、マジで)
今回の議論、今後の展開でも後を引きそうですね。それも楽しみです
それでは本当に失礼しました(汗)
そもそもガンダムマイスターの選定自体も「人間がやるべきか?イノベイターがやるべきか?それとももっとシンプルな人工知能によってミッションを淡々と遂行すべきか?」をイオリアは迷っていたようなところがあるような気がします。実際に武力介入ミッションを行なう第三世代ガンダム4機のマイスターを全てヴェーダ直結のAI制御にする選択もあったはずだし、全機をティエリア的イノベイターに任せる選択もあったはず。なのに実際にヴェーダが選んだのは、人間3名(内超兵1名ですが)、イノベイター1名。愚かさや感情のある人間に任せることでマイスターに不完全さが加わってしまうのを承知の上で、敢えてそれでも人間の手で紛争根絶を試みたという気がしますね。イオリアは出来る限り人の革新を人自らの意志と行動で行なって欲しいと願っていたのでは?なのでより揺らぎの少ないイノベイターを生み出しておきながらも人を諦めきれず、常に選択肢に加え続けているような気がします。
リボンズはきっとそのイオリアの迷いに賛同出来ず(イオリアは甘いと思ってる)、愚かな人間などに任せず、全てを優良種たるイノベイターがコントロールすべきと考えているのでしょうね。だからある意味イオリアの遺志を裏切るようにヴェーダをハッキングし掌握した。でもイオリアも「もしかしたらヴェーダが奪われることもあるはず」と予想し、悪意を持ってヴェーダを掌握する者が現れたら発動するシステムトラップを仕掛けておいたのでしょう。恐らくその後も人の未来を人の手で変えてゆけるモノを人に託すように。それがトランザムであり、ツインドライヴ等の技術情報であり、もしかしたら他にもあるかも知れません。
今もなお、イオリアの想定内の範囲で計画は進んでいるのかも?ヴェーダという力を手に入れたイノベイターと、オリジナルGNドライブやトランザム等の力を持つ人間のどちらが宇宙時代の世界をリードしていくかべきか?イオリアは出来れば人間自らそれを行なえるように変わって欲しいと願いながら、もしかしたら人間には無理なのかもという迷いも持って、競合させることも視野に入れてたのかも知れませんね。
人が自らの未来を自らの意志で、自らを革新することで掴み取るのか?それともいつまでも愚かなままでイノベイターに導かれねばダメなのか?それを試しているのかも知れませんね。
1) CBは第1段階遂行の捨て駒であり、第2、第3段階はイノベイターが主導する
2) イノベイターは第2段階遂行の捨て駒であり、第3段階はCB(または他の旧人類)が主導する
3) 第2段階でイノベイターとCBが争って、勝ち残ったほうが第3段階を引き継ぐ
4) 第2段階ではイノベイターとCBは争うが、その過程で旧人類も進化し、イノベイターと共に第3段階を迎える
5) 第2段階以降はイノベイターが進めるが、間違った方向に進んだ時の非常停止装置の役割をCBが担う。
以下個別にお返事です。
■アレヴァスさんコメントありがとうございます!
アレヴァスさんは前述の3番もしくは4番の説でしょうか。オリジナルGNドライヴなどは、イノベイターに対する人類へのハンデなのかもしれませんね。それで切磋琢磨しろと。
『ガンダムの支援機が2機完成した』は確かに気になります。あとパイロットが誰かですよね。順当にはラッセと誰かでしょうけれど、沙慈とマリーだったりしないかなと。マリーだとすると、アレルヤの支援機になるのかなと。
■ピースさんコメントありがとうございます!
ピースさんの説を前述の5番にしてみました。ユニークな説だと思います。第2段階以降はイノベイターに任せるけど、正しく機能するかは迷いがあり、ダメだったときに壊す役割をCBに託した、という感じでしょうか。
リボンズですが、いずれにしても拾われたということは破棄同然だったのかもしれませんね。リボンズ出生の謎に迫る、唯一の手がかりです。例えば、なにかの実験のためにデザインベイビーとして生まれて、実験が終わって不必要になったところをアレハンドロが引き取り、イノベイターとして強化した、というシナリオもありえるでしょうか。
■westernblackさんコメントありがとうございます!
1番の説だとしたら、イオリアは我々旧人類の敵ですよね。まぎれもないラスボスと言えます。僕はイオリアは、セルダン的な『超凄い人』であって欲しいので、ラスボス説は採りたくないのですけどね。彼はロマンチストだと思えるので、4番もアリかなぁと思っています。イノベイターとCBが争うのは通過儀礼のようなもので、その過程で人類もニュータイプに進化して大団円、という。
ファウンデーションを読んだことがある人なら、ガンダム00との類似性はすぐに気づくでしょう。僕のサイトにも『ガンダム00 セルダンプラン』みたいな検索ワードで来る方がたくさんいます。SF好きには楽しい仕掛けだと思えますね。
■Edwowさんコメントありがとうございます!
Edwowさんの説を3番にしました。イオリアはいろんなケースを想定して手を打っていて、CBとイノベイターが争うならそれはそれでアリ。どちらかが計画を継いでくれればいい。くらいに考えたのかもしれません。いずれにしてもいまだにイオリアの計画からは外れていない、というのは僕もそう思います。
旧人類としては、CBや人類にエールを送りたいですが、CBの孤軍奮闘では限界があるわけで、人類が対イノベイターで団結する展開を期待したいところです。それはそれでイオリアとしてはウェルカムでしょうし。
以前から拝見させて頂いておりますが、優れた卓見と存じます。
1stシーズンのあの段階でイオリアの計画を見抜かれた慧眼、感服いたします。
イノベータと称する連中は実際は計画遂行者を生み出す過程で産み出された「できそこない」かな、とも思うのです。
リボンズの「拾ってもらった」発言と、システムトラップ時のイオリアの言葉と、リジェネの発言からそう考えたのですが。
イオリアが紛争根絶に固執した理由も後半で明かされるのでしょうね。
イノベイターが正統な後継者ではないという可能性は、大いにアリだと思えます。「システムトラップ時のイオリアの言葉」は忘れてしまいました。あとで確認します。
イオリアの最終目的はだいたい分かったとしても、その具体的な計画については謎が多いですよね。今後も楽しめそうです。
こちらを拝見して深い考察に瞠目いたしました。
もちろん1stガンダム世代です。大長老と呼んでくださいw
加えて創元社文庫版のファウンデーションファンです。
イオリアの言葉にイノベーターを示唆する言葉はないです。
ただ、GNドライブを有する者に全面的な支援を表明し、CBのためでなく自分の意思による戦争根絶を希望していました。
まぎらわしい文章ですみませんでした。
最後の最後はヴェーダ(=イオリア) なんでしょうね。
実は個人的に思い描いている最終シーン(Cパート)があるんですが、恥ずかしくて公表できません。
いずれにせよ、あの段階で看破したブログ主さんの予見力はハリ・セルダンの領域です。
おお、ガンダムファンとしては長老様ですね! 僕も歳を食ってるほうだと思いますが、1stガンダムをリアルタイムには見ていません。ガンプラ世代ではありますが。
創元社版!ハヤカワ版しか知りませんでした。年季の入ったSFファンでもあらせられるのですね。僕なんかヒヨッ子かもしれません。
「ハリ・セルダンの領域」は畏れ多すぎますがありがとうございます。かのノストラダムスによれば、予言を当てるコツはたくさん予言することだそうです。