無難な後日談、といった回でした。二十面相の娘 第22話 「チコ」 の感想と総評です。
ラストのチコの「おじさん!」が全てでしょうね。これまでエンドカードで『おじさんボイス』を入れ続けたのはこの伏線だったのだなぁと。有名な『少年探偵団』の元ネタが実は少女探偵団だった、というオチもありました。
それでもいまいちスッキリしないのは、二十面相が『中途半端に謎』だからでしょうか。二十面相が完璧な男であれば、この結末でもいいと思うんです。すべてを掌の上で操り、何もかもを心得えていて、絶対に負けないという。でも実際の二十面相は、けっこう場当たり的に行動しているし、けっこう弱くてチコに助けられています。二十面相は結局のところ、ただの人だったなと。それなのに、こんなに勿体付けて登場されてもねぇという冷めた気持ちがあるのでした。
最終回なので総評をやります。
ストーリー: 4点
7話までは素晴らしかった。華麗なる怪盗一味の痛快な活躍に、チコの成長物語をからめて、最高に面白かったんですよ。そこから16話までもそれなりに。でもその後、荒唐無稽な超兵器とマッドサイエンティストが登場し、それに二十面相がやられっぱなしという展開になって、急につまらなくなりました。全体としては水準以上なのですが、前半がすごく面白かっただけに落差が…ということです。
キャラクター性: 4点
チコはいいキャラでした。あと空根さんがすごく好きですね、愛すべき人物で。二十面相は最初は良かったのですが、だんだん残念なことになりました。ああいうキャラは最後まで弱みを見せず、ハッタリを貫き通して欲しかったです。
画: 4点
安定していましたし、戦後の町並みや独特なメカなど、見るべきところは多くありました。
演出: 4点
印象的な演出が随所にありましたし、アクションは全体的に良かったかと。飛行船から縄で吊るされて、その縄をほどくシーンのアクションは出色でした。
音楽: 4点
雰囲気にぴったり合った劇伴でした。ただOP/ED曲はあまりピンと来ず。
総合的な評価: 4点
7話までなら5点でした。終盤の展開は個人的には残念なのですが、あのノリが好きな方もいるかもしれません。あくまで僕の思い入れで、二十面相は完璧であってほしかったのです。ともあれ、楽しめる作品でした。放送時間がかなり深夜で、かつ放送時間がコロコロ変わるので、観続けるのは大変でした。見逃して視聴をやめてしまった方も多いのではないでしょうか。
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