実にうまい設定だなぁ、と感嘆しきり。 ソードアート・オンライン 16話 『妖精たちの国』 のレビューです。
SAOはクリアされ、キリトは現実に戻り、これからどうなるのかなと思っていたら、アスナは別のゲームの中に囚われているようです。 なるほど、そう来ましたか。
ナーヴギアの後継機に対応したゲーム、『アルヴヘイム・オンライン』は、SAOとほぼ同じシステムで動いています。 問題のあるSAOを、そのまま使い続けるのは無茶な話にも見えますが、これには2つの理由が考えられるでしょう。 ひとつは、引き取ったSAOの資産でゲームを作ろうとしたが、システムを解析できずに変更できなかったという理由です。 解析できているくらいなら、もっと以前にプレイヤーを救えていたでしょうし。
ある程度以上の規模のゲームは、「システムプログラム」と「アセット」と「スクリプト」で構成されています。 システムプログラムは、ゲームのプログラム本体です。 アセットは、絵や音・マップ・シナリオテキストなどのデータのことです。 スクリプトは、その2つを繋いで、どこで何をやるとフラグが立ってイベントが起こる、といったことが記述されています。
かつてはスクリプトというものはなく、プログラマーがすべて、どこで何が起こるということも書いていました。 でもゲームが大規模になり、プログラマーの手が足りなくなったので、プログラマーはスクリプト&アセットを生成できるツールと、ツールの出力を読み込んで動く「システムプログラム」だけを作り、あとは他の人が作れ、というように分業化されています。
現代のゲームは百人以上で作られることがありますが、ほとんどはグラフィックを書いたり、マップをデザインしたり、スクリプトを書いたりする人たちです。 SAOの開発にも、そういう人たちは大量にいて、そういう人たちはツールを使ってゲームをデザインしていたでしょう。
一方、SAOのシステムプログラムは、茅場晶彦と、小数の腹心によって作られたのではないでしょうか。 そして、根幹を知る人は誰もいなくて、誰も解析できない状態だとすれば、『アルヴヘイム・オンライン』は、SAOと同じシステムで、スクリプトとアセットだけを入れ替えたもの、ということになります。
話が長くなりましたが、2つ目の理由は、「アスナの命を維持するため」ではないでしょうか。 SAOはクリアされたけれど、まだアスナが戻ってきていないので、サーバーを止めるわけにはいきません。 『アルヴヘイム・オンライン』はアスナを取り戻すことが目的のゲームで、そのためにもシステムはSAOと同じである必要があると思えます。
この作品は、キリトの無双の強さが持ち味なので、新しいゲームになるとそれが失われるのではと思っていました。 オンラインゲームは、先に始めたほうが有利ですしね。 でも、SAOのセーブデータによってパラメーターが上書きされたという設定のおかげで、「無双の強さ」を維持することができました。
SAOに不満があるとすれば、リアルとの関わりが描けないことでした。 アクセル・ワールドは、リアルとゲーム内での人間関係をそれぞれ描いていましたが、SAOにはそれがありません。 でも『アルヴヘイム・オンライン』になったことで、それができるようになりました。 そこですかさず、妹キャラですね。 リアルでは妹を演じなければならないけれど、ゲーム内では一人の女の子として振舞える、という様子が描かれるのでしょう。 なかなか萌えるではないですか。
「SAOのシステムを元にアルヴヘイム・オンラインを作った」という設定にしたことで、いろんな問題を解決して、さらに物語を面白くすることができています。 とてもウマイと言えるでしょう。 SAOがクリアされた後、ややテンションが落ちていたのですが、また盛り上がってきました。
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そうではなく茅場の本気を感じ取った誰かがいたのだと思います。
ナーブギアとSAO、そのプログラム、設計思想。そして膨大な研究資料。
それらを手にした誰かはわかってしまった。
自分ではそこに追いつくのに何十年もかかると。
それは何十年もそれだけを求めた男が作り出したもの。
それを汚してはいけない。
追いつくことが出来ない屈辱とそこへたどり着いたものへの憧れといろいろなものが入り混じった結果、そのまま使う、になったのかなと思います。
古いものを使っているという点から解析できなかったというのもありそうですが、wikiでちょっと先の設定を先読みしちゃったので、茅場の本気を理解できなかった、ゲームに対し真剣勝負を挑んでいなかったバカのちっぽけのプライドから来たものだと思います。そいつの気持ちを代弁するならこんな感じでしょうか。
「お前はレベル制を採用したけどな、本当に優れているのはスキル制なんだよ、お前は最後に選択を間違ったんだ」
みたいな感じだったんだと思います。
プライドゆえに茅場を貶めたバカがいたのだと思います。
ナーブギアの後継機についても本当はナーブギアなんじゃないかと思います。
セキュリティ強化についてはピラミッドと同じだと思います。
罠を作った人間を一緒に埋めてセキュリティ強化。
それと同じでナーブギアのセキュリティを作った奴はナーブギアと一緒に埋まったからもう大丈夫。
とそういうことなのかなと思います。
そしてそれはニューロリンカーのIDシステムになっているんだと思います。あれは一人一つで、新たにIDを作ることが出来ない的な設定だったはずです。
BICを作った奴はいつまで茅場のシステムにおんぶに抱っこなんだと自前で作ったのではないでしょうか。そしたら問題多発で結果使用禁止になり、その後のニューロリンカーは元に戻ったのかなと思います。
それがキリトがキリトになれた理由だと思います。
ナーブギアとそれを支える技術の中に本人とナーブギアを関連付ける(一人一台一キャラ一必殺技等)技術があったのだと思います。
それが二刀流等のユニークスキルを支えていたのだと思います。
初めに二刀流を得たプレイヤーとスキルを関連付け、他のプレイヤーに発現しないようにしていた。
>SAOに不満があるとすれば、リアルとの関わりが描けない
あの世界がリアルだったからです。
現実の代わりじゃなく、現実そのもの、だからSAOだけでよかったのだと思います。
あの世界に居た人間はみんなどこかで現実以上に考えていた。
キリトの見た夢がその典型だと思います。
キリトはあの世界を遊びじゃない世界と思っていた。
それは茅場の言葉だったからです。
茅場は自分を見つけたキリトにチャンスを与えた不死を解いて本気でキリトの思いの全てを受け止めようとした。
だからこそあの世界は現実以上に現実なだれもが全てを賭けて戦う場所だった。
でも、アスナは帰ってこなかった。茅場は約束を破った。
互いに真剣であるからこそ信じられた、でも茅場は嘘をついた。
ならあの世界は?
そして全てが崩れる夢を見る。
それでもキリトは信じたかったのだと思います。
だからアスナの病室に何度も行き、剣道も再開した。
あの世界で得たものは確かにある
あの世界は現実だったんだ
茅場は約束は果たすんだ
あの時みた茅場は本物だったんだ
ゲームクリアの際に見た幻やバグなんかじゃないんだ
それほどに現実な世界だったのだとおもいます。
だからこそキリトはいったんだと思います、ぬるすぎる、と。
二つの世界を掛け持ちできる、その程度の重さしかない世界はぬるいということだったのだと思います。
その辺りも考えて茅場はレベル制にしたのかなと思います。
レベル制であればどんな才能にもチャンスが与えられる。
皆から愛される才能、皆を統率する力、皆を信頼させる力、ただ一人でも上を目指す力。
どんな力でも強くなるために使えば平等に強くなるチャンスが与えられる
どんな奴でも上に来るチャンスがあるように作ってあった。
それまでに失ったものや思いのたけをぶちまけるチャンスがある世界だった
そのために茅場は死ねなかったんだと思います。
色んなものを失って、死ぬ思いで最上階にたどり着いたら、ボスはいなくて、どっかでのたれ死んでた。
では救いも何もない。
だから死ねなかったのだと思います。
自分の意地を通す以上、他の奴の意地も通させる。
だからキリトにはチャンスが与えられた。ボスとして戦えるなら別にどこでもいいから。
そういう奴の作った世界だからこそ現実以上に真剣勝負な世界だったのだと思います。
前のコメントに戻りますが
与えられた環境で精一杯やる、ではないと思います。
精一杯はどこか限界の手前(命の手前)までというイメージがあります、個人的にですが。
そうではなく、茅場達の場合は命すらかけてしまう精一杯だと思います。本当の真剣勝負。
天地明察とかの世界です。
フェリペの言葉を使うなら
金があれば使ってしまう、情熱に任せて祭りをやって、嫌なことは忘れてしまう
でしょうか。
命があればそれすら賭けて情熱のまま生きてしまう。
マギのアリババのいうように。
今のアニメの流れはそっちだと思います。
自分の命、会社の命、国の命。
賭けられるものは人それぞれですが賭けられるものは全てかけて戦うとき。
それが今の流れ、というよりはアニメがこれからの流れに望むものだと思います。
そしてもう少し先まで考えてのことなのかなとも思っています。
それらは近いうちに自分のブログに書きます。