2012年10月スタートの秋アニメが、ほぼ出そろったので、現時点での期待度と寸評をまとめてみました。 内容へのネタバレは、なるべく無しで書いています。 あくまで”現時点での印象”なので、初期の評価と、今後の評価が大きく変わることはよくあります。
■Sクラス (名作の予感)
・絶園のテンペスト
時系列が前後していてわかりにくいところはあるが、凝った構成にするだけのことはある展開で惹きこまれた。よくある異能バトルものと思っていたけれど、能力の制約が独特で、ヒロインの立ち居地もユニーク。少なくともツカミは素晴らしかった。
・さくら荘のペットな彼女
どこが良いとは言いにくいのだけれど、コメディのノリがよく、映像描写も日常風景なのに面白い。原作ものにアニメならではの良さを盛り込んだ成功作になりそうな予感がある。
■Aクラス (良作の雰囲気)
小学館創業90年記念作品というだけあって素晴らしい出来。 「これから冒険が始まる」というワクワク感があった。子供向けアニメだけれど、スタッフはシリーズ構成の吉野弘幸さんを始め深夜アニメ系なので、大人も楽しめる作品になりそう。
・新世界より
まだ世界観を見せているだけで、ストーリーが進んでいないので評価しづらいが、興味深い世界観だし、その映像での見せ方もとても良い。ぜひ期待したい。
・イクシオン サーガ DT
B級臭が漂う作品だけれど、1話は意外なほど面白かった。主人公が突然異世界に召喚されるるという、典型的なヒーロイックファンタジーで、主人公が居場所を見つける1話の展開は面白かったし、今後どうやって運命を切り開いていくのかに興味を持った。
・中二病でも恋がしたい!
絵は綺麗だし、コメディとして笑えるところもある。でも今のところそれだけで、傑作になれる要素は見えていない。淡白なサブヒロインたちが、より積極的に絡むようになってからが本番だろうか。
・となりの怪物くん
まじめ系のヒロインが不良っぽい男の子に引かれていくという、ド直球な少女マンガのプロットで、心理描写に説得力があり、ユーモラスな雰囲気も心地よい。あまりドロドロギスギスしない、優しいラブストーリーになりそう。
・好きっていいなよ。
「となりの怪物くん」と似て非なる雰囲気で、あわせて見ると面白いかも。主人公のキザっぷりが正視しずらいところもあるが、全く可愛くなかったヒロインが、次第に可愛く見えてくるのがいいところ。
・神様はじめました
いかにも大地丙太郎監督のノリで、ちょっとギャグが古臭いところもあるけれど、そこも味だといえる。ストーリー的には、ヒロインが目的意識を持ってからが本番だと思える。
・BTOOOM!
なるほど確かに、リアルボンバーマン的なプロットで、ゲームとしての戦術や、ギリギリの状況での人間模様を描けば面白くなりそう。その片鱗も見せている。
・ひだまりスケッチ×ハニカム
第4期ということで、さすがの安定感。 今のところ日常シーンがメインだけれど、美術科の学生らしいところや、将来についてあれこれ悩む青春物的なところを今回も見たい。
・ToLOVEる ダークネス
今期のお色気枠で、クオリティは高い。リトをめぐるラブストーリーを軸にしつつ、実はヒロイン同士の友情物語の要素のほうが強いのかもしれない。
・バクマン。3
この作品の面白さのほとんどは、原作の面白さなのだろうけれど、3期に入ってもやはり面白い。「作品をアニメ化すること」が主人公の最終目標なので、ぜひ本当にアニメで「アニメ化」するところまでやってほしい。
・リトルバスターズ!
Keyのゲームが原作なので、人が死ぬような欝展開もあるのでしょうが、今のところはほのぼのとした学園もの。漫才のような掛け合いギャグは相変わらず面白い。ストーリーは、まだよくわからない。
・ガールズ&パンツァー
戦車の描写が本格的で、戦車好きの自分としては文句無く楽しめている。戦車戦の戦術が描かれることと、スポ根ドラマっぽくなることを期待している。
・ヨルムンガンド PERFECT ORDER
分割2期なので、厳密には新作とは言いがたい。 これまでほとんど本心を見せなかったココが、いよいよその真意を明かし、武器商人であることのアイデンティティを示す展開になりそうなので目が離せない。
■Bクラス (いまひとつな感じ)
・お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ
原作ファンなので、原作を大幅に改変して、しかもそれで良くなっているとは思えないのが残念なところ。原作にあったシチュエーション展開の面白さが薄くなって、会話劇だけになっている。 会話だけでも面白いので、それなりに楽める作品にはなっていると思う。
・ハヤテのごとく!CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU
好きなシリーズなのだけれど、今期はギャグがどこか空回りしているような、いまいち笑えない感がある。 ヒナギクや歩が登場してからが本番か。
・武装神姫
原作ゲームはガチなバトルアクションもので、敵の特性によって装備セットを切り替えて戦うというメカ要素も強いのだけれど、アニメは日常ラブコメになっていて肩透かしだった。作画ももうひとつで、コレジャナイ感がある。
上の作品とは反対に、この作品は2期はバトルを前面に出すようで、僕としては日常エピソードのほうが好きだったので残念。でも西尾維新作品は一筋縄ではいかないので、単なるバトルでは終わらないのだろう。
・K
絵やアクションはすごい。今のところドタバタしているだけで、ストーリー的にはあまり面白くない。今後化ける可能性はある。
・PHYCHO-PASS
これも絵は良いし、オサレな雰囲気もあるが、1話はグロテスクさだけが印象に残った。でもSFだし、ありがちとはいえ重厚な設定なので、グロだけではない作品になることを期待している。
・ROBOTICS;NOTES
傑作といえる『シュタインズ・ゲート』と同じ原作者ということで、期待していたが、1話は地味なスタートだった。ロボットは好きだけれど、いわゆる『スーパーロボット』には興味がないので、それもテンションが下がった理由。まだ始まったばかりなので、今後どんなロボットが登場するかに注目している。
■Cクラス (視聴打ち切りな気分)
・ジョジョの奇妙な冒険
原作漫画をそのままアニメに写し取った感じで、アニメならではの部分が見られず、原作は知っているので見なくてもいいかと思った。
・ライチDE光クラブ
シュールなノリがいまいち合わなかった。
■雑感
期待していた作品がいまひとつで、ノーマークな作品がすばらしかったというのはアリガチなのですが、今期は特にその傾向があるような。 原作を知っているので期待していた『お兄ちゃん~』や『武装神姫』が残念で、SFということで期待していた『新世界より』や『ROBOTICS;NOTES』も、正直今のところ期待値を下回っています。
一方、Sクラスの2本は全くノーマークだったもので、また少女コミックス系の作品にも秀作がありました。
まだ1話か2話なので、「今のところフックが無いなー」という作品も、良くなる可能性は十分あります。 SF物は特に、世界観の説明が大変なのでスロースターターでしょうし。 伸びしろがありそうな作品が多いのも特徴で、今期も良いシーズンになりそうです。
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マギ
イクシオン サーガ DT
神様はじめました
PHYCHO-PASS
が期待できそうなのかなと思いました。
神様はじめました
この作品に時代の逆戻りを感じました。
かつて無限のリヴァイアスというアニメで「降伏しよう」というセリフがありました。
今にして思うとあのセリフはアニメ全体の言葉だったのかなと思ってしまいます。
18時代はあきらめて深夜に潜ろう、そして生き残ろう。という宣言。
そして、その後に来たフルーツバスケットでの「あなたにはあなたにしか出来ないことがあるはず、だから行きなさい」は白泉社の言葉だったのかなと思います。
白泉社は一緒には行けない。でもアニメにはアニメにしか出来ないことがあるはずだから行け、と。
そして花盛りの君達へはドラマへといった。
スクライドがやっていたころには多分喧嘩のできる相手はもう18時代には残っていなかったのかなと思います。
それが
「この毒虫どもが、信念無き行いは悪以外の何者でもない、その悪を俺は憎む」
「どうした、意地を見せてみろ。そんでもって喧嘩だ、喧嘩をやってやらぁ」
そんな信念もなきゃ意地もないアニメが主流になっていたのかもしれません。
深夜に潜った後もガンダムseedや鋼、blood、銀河美少年で帰る場所を死守しながら生き残り続けてきた。
ホライゾンのフェリペの言葉と神様はじめましたにその流れが今変わるのだと感じました。
フェリペにリヴァイアスの昴治を感じました。同じ声だからだけではなく。
自分は生き残っただけの臆病者だ。
という言葉とそこに昴治の声の人を使ったことに意味を感じてしまいました。
そしてそのフェリペの言った
「勝とう、みんなで勝とう」
このセリフは、今度こそ帰ろう、多くの人に見てもらえる場所に、そう聞こえました。
それに答える形で深夜に神様はじめましたがやってきた。
マギは深夜に培った力を持ち、大歓声か大ブーイングかはわからないけれど鉛玉を撃たれにきた。
DTは安全じゃつまらないという。
そうして、僻地へ追いやられた連中が大勢の前に戻ってくる。
映画のアニメもそう。
今度こそ俺達こそがトップだ、と。
あの花も他も全てはアニメから生まれた。
ドラマも漫画もかつて自分達を追いやった連中は俺達の真似でもして遥か後ろからついて来い。
俺達はどこまでも先に行く。
そんな感じに感じてます。
星占いは星の位置からのイメージだそうですが、アニメの配置からイメージするなら今期はそんな感じなのかなと思いました。
・絶園のテンペスト
シェークスピアを下地に使って演劇的な雰囲気を醸し出していますね。凝った構成、私にはツボです。少々分かり辛いところもありますが、今後説明されていくことを期待してます。岡田麿里さんが構成なのも期待です。ひっかかるのは吉野の態度の不可解さでしょうか。是非メルクマールさまには本作品の感想・考察をアップして頂きたいです。
・神様はじめました
王道と言うかテンプレと言うか(失礼!)いかにも少女漫画なのですが、陰惨さや暗いところはなくて安心して見られます。ギャグも多少古臭いですがテンポは良いのではないでしょうか。きっと逆ハーレムになるのでしょうが、あまり喧しいことは言わずに気楽に見る枠と思います。
・リトルバスターズ!
人気があるらしいのですが、スミマセン、私には合わないようです。漫才のような掛け合いギャグもダメでした。
・ROBOTICS;NOTES
仰る通り1話は地味なスタート。『シュタインズ・ゲート』も最初は今一つだったのが次第に盛り上がっていったので様子見ですね。
・ジョジョの奇妙な冒険
私にしては珍しく原作既読です。毎号ワクワクしながらジャンプをめくった筈なのに内容は驚くほど憶えておりません(汗)。こういう話でしたっけ?? しかしあれから時間が経ち色々と本も読んで知識が増すと、設定に疑問も生じてしまい見ていられませんでした。あれでは日本の小金持ちの姿でイギリス貴族の姿にはほど遠いので。誤解なきように付け加えますがファンタジーとしてのストーリー自体は面白いですよ。ジョジョはやはり荒木氏の劇画の迫力を楽しむ作品なのでしょう
>期待していた作品がいまひとつで、ノーマークな作品がすばらしかったというのはアリガチなのでが、
いや全く仰る通りです。True tearsやTIGER & BUNNYなんかがノーマークの名作でしたね。 今後の展開を見守り今期もよいシーズンであることを期待しませう。
他は「イクシオンサーガDT」と「リトルバスターズ」、「神様はじめました」かな。元々本命だった「ヨルムンガンド」2期は録画して後で一気に見るつもりです。
「マギ」は自分的にはあんまり惹かれない作品ですね。作画(特に動画の所)は素晴らしいけどなんて言うかピンと来なくて。一応OP見るとキャラクターの数が多いみたいだしもうちょっと見てみようと思ってます。
挙げられた作品は、どれもいいですね。PHYCHO-PASSも、1話はどうかなと思ったけれど2話は良かった。
「与えられた環境で精一杯やる」というテーマのアニメが、確かに多いように思えます。そういう時代の空気なのでしょうか。
■縄文人さんコメントありがとうございます!
絶園のテンペスト、いいですよね! 3話はこれから見るのですが、できれば感想を書きたいです。シェイクスピアを下敷きにした、演劇的な雰囲気も好みです。
ロボテックスノーツですが、そういえばシュタインズ・ゲートも、最初のうちはピンとこなかったのでした。登場人物にあまり感情移入できなくて。この作品もそんな感じなので、今後盛り上がるのかもしれません。
■Kattyさんコメントありがとうございます!
ジョジョはストーリーは面白いので、それを楽しむ分にはいいのではないかと思います。
イクシオンサーガ、何気に人気だな。いかにもB級なので、多大な期待は出来ないですが、今のところ楽ませてくれる作品ですね。
マギは、特に1話は話の盛り上げ方が凄く良かったですよ。僕はお勧めです。
めだかの原作はバトルになってから読まなくなりました。コッペリオン(アニメ化中止)も途中でバトルに切り替えてからの方が高評価で、今時の若い人の感覚についてけない、、と感じてます。。
絶園とイクシオンが予想外に面白い。少女3作、BTOOOM、低予算ぽいけど制作ががんばる懐かしいジョジョ、サイコパス、ひだまり、掛け合いを面白く感じる神姫あたりを最後まで見そうです。あと、銀河へキックオフ、何気に毎回おもしろい。おいあいは残念でさくら荘はなんかついてけない感じです。。
めだかは少年漫画ですから、バトルものになってしまうのも仕方ないのかなぁと思えます。僕の好みではありませんが。
絶園は文句無く面白いですね。イクシオンは息切れ気味か? 少女漫画原作物が面白いのも、今期の特徴ですね。逆に、萌えアニメがどれもパッとしない。銀河のキックオフは最高です。