メルクマール

この作品は、第1巻が出たときに書店で何気なく手にとって、文章のノリがフィットしたので買ったのでした。 そのときにレビューも書いています。 以来気に入って、新刊が出たら買っています。 いかにもMF文庫というハーレムラブコメですが、とぼけた文章に味があり、コメディのシチュエーションも面白くて、安定して楽しめる作品だと思いますね。 小説は、ですが。

アニメ化すると聞いて、当初から不安はありました。 これは同じMF文庫の『僕は友達が少ない』と似たタイプの作品でして、文章の面白さがキモなのですが、アニメでその「面白さ」は出せないので、アニメならではの面白さを表現する必要があります。 でも『僕は友達が少ない』は、それに成功しているようには見えませんでした。

この作品も案の定というか、元々のとぼけた面白みは失われていて、小説では気にならない分量の台詞が、アニメだと妙にくどく感じます。 掛け合いシーンの構図が単調なのも、それを助長しています。 アニメならではの手法で、ノリの良さを出して欲しいのですが。

また、原作とは話の順序を大幅に入れ替えているのですよね。 １話でヒロインを大勢出したいという気持ちはわかりますが、あまりに脈絡が無いし、いろいろネタバレしてしまっているし、ヒロインたちと出会って再会するというシチュエーションの面白さが台無しになっています。 結局、話を面白くすることよりも、「萌えキャラが大勢出てくればお前ら満足なんだろ」と言われているようで、なんだかなと思いますね。

そんなわけで辛口になってしまいましたが、キャラは可愛く描かれているし、声優さんも違和感ありませんでした。 クオリティとしては悪くないと思うので、しばらくは視聴継続するつもりです。

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