メルクマール

前回、ユイの正体やこの世界の仕組みについて、僕の予想を書いたところ、多くのコメントを頂きました。 ユイはキリトとアスナの脳のパターン（この世界でのDNAとも言える）から作られた人工意識、つまり二人の子供なのだろうと書いたのですが、人工知能ではあったものの、子供というわけではなかったようです。 ただあの外見は、「二人の子供になりたい」というユイの願望が、二人（特にキリト）に似せて作ったものなのではないでしょうか。

「人工意識」とあえて書いたのは、現在の人工知能は、自意識を持つことが無いからです。 「自分」というものが無いので、「自分がはこれをしたい」「自分はこう感じる」ということが無く、単にコマンドを処理するだけなのですね。

でもユイには、自意識があるように見えました。 AIなのにシステムの命令に反抗して、自分の意思で2人のそばに居たいと思ったのですから。 もし自意識を持った人工知能を作れたのだとしたら、SAOやナーブギアよりも画期的なことのはずです。 産業革命の次くらいに画期的かもしれない。 そんなことができたのは、SAOという特殊な世界にAIを閉じ込めて、多くの人々の感情をモニターするというタスクを与えたからではないでしょうか。

AIをある種のストレス下において学習させることで、自意識を獲得させるというアイデアはグレッグ・ベアのSFでもありました。　ユイは自分が「壊れた」といいましたが、ストレス下であんなふうに壊れて変異することが、そのそもの目的だったとしたら？

だとしたら前回、SAOは人々の意識から人工意識を作り出すためのシステムなのではと書いた予想は、ハズレと決まったわけでは無いかもしれません。 その場合、SAOのプレイヤー全員が、ユイにとってパパとママなのでしょう。　

ルートコードを取ったとは言え、あの短時間で『ユイの心』をオブジェクト化するとは、キリト君は凄腕プログラマーでもあるようです。 そもそもはカヤバ アキヒトに憧れていたようなので、ゲームプログラマー志望なのかもしれません。

キリトとアスナは、単にゲームを攻略するだけではなく、人々に夢と希望を与えるという、メンタルケアの役割も期待されているようです。 これはユイだけではなく、ゲームマスターであるカヤバ アキヒトの期待でもあるのかもしれない。 彼の目的はわかりませんが

番組改編期ですが、この作品は2クールみたいですね。 引き続き楽しみです。