メルクマール

いまごろ気づいたのですが、サブタイトルのほとんどが『○○の△△』って形式ですよね。 今回もそうだし、「心の温度」、「青眼の悪魔」など。 グイン・サーガもそうなのです。 正伝は130巻出ていますが、そのほとんどのタイトルが『○○の△△』形式です。 Wikipediaにリストがあります。（リストは長すぎて閉じているので、右の「表示」リンクを押すと開きます）

ほとんど無敵に強くて、挫折を知らない主人公という点も似ています。 ピンチに陥るとすれば、正面からの戦いではなく、罠にはめられた場合ですね。 今回のキリトのピンチも、罠にはめられたのでした。 団長との試合もチートっぽかったですよね。 それについては後述します。 そういえばグイン・サーガでも、闘技場での決闘に名場面が多くありました。

グイン・サーガは正統派の騎士道物語で、放浪の末に、剣を捧げる姫に出会います。 キリトもずっとソロで放浪していましたが、ここで「俺の命は君のものだ。永遠に君を守る」とアスナに言います、これは、姫に剣を捧げる時の誓いの言葉そのものです。

同じ作者の「アクセル・ワールド」は少年マンガ的で、挫折があり、修行があり、勝利するという展開です。 一方でこの作品は、主人公が挫折しないので物足りないという向きもあるかもしれませんが、僕はこれもアリだと思いますね。 めっぽう強い、負ける気がしない戦士を描いても盛り上げられることは、グイン・サーガが証明しています。 この作品も、それを志向していると思えるのです。

団長との試合は、何だったのでしょうね。 キリトの勝算は、連打を浴びせてシールドが跳ね上がった隙を狙うというもので、それは完璧に成功していました。 でも結果は、なんだかわからないうちに団長は避けて、大降りしていたキリトは団長の攻撃を避けるすべがありませんでした。 キリトは一切言い訳しませんでしたが、あれはチートではないでしょうか。

オンラインゲームの運営は、チート（いんちき）プレイヤーとの戦いです。 プログラムを解析してデータを書き換えたり、チートが可能になるプログラムを走らせたりする輩は後を絶ちません。 運営は見つけ次第、プログラムを修正したり、チーターのアカウントを削除したりしますが、イタチごっこだし、大っぴらではなくコッソリやられると見つかりにくいものです。

ソードアートオンラインでは、プレイヤーはゲームの中にいて、外からプログラムを解析することができないので、チートはかなり難しいでしょう。 でも不可能ではありません。 たとえば作ったアイテムに任意の名前をつけられるとして、そこにすごく長い名前をつけると、バッファ（メモリ領域）があふれ、その後ろにあるプログラムを壊してしまう、という脆弱性があったとします。 ありがちなのですが、そうすると、文字列をうまく設定すれば、プログラムをうまい具合に壊して、任意のプログラムを動かせる可能性があります。 この手のことは、ゲームの中からでも可能でしょう。

団長の盾の異常な固さも、アスナによれば「ゲームバランスを崩す」ほどだそうなので、そうやってパラメータを操作したのかもしれません。 最大のギルドで、クリアのための要である血盟騎士団の団長がそんなでは、いろいろ先が思いやられますね…

キリトはこれまで、女性に頼られたから守ってきただけで、自分から積極的に女性に関わろうとはしませんでした。 でも一度は死にそうになり、さらにアスナがキリトの元を去ろうとしたときに、自分も他人に頼っていいのだということに気づいたのでしょう。 結婚って、お互いに支えあうことですからね。 SAOで結婚すると、互いのアイテムを共有するそうなので、まさに運命共同体になります。 パーティープレイを忌避していたら、なぜか結婚してしまったというお話でした。

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