心意という熱血システム。 アクセル・ワールド 第21話 『Insurrection;反逆』 のレビューです。
デュエルアバターの力は、自分のコンプレックス(弱さ)が具現化したものです。 一方で心意とは、自分の力を本当に信じたときに発動します。 これを合わせると、「自分のコンプレックスを完全に克服したとき、心意が使える」 ということになります。 これってつまり、典型的な熱血ものですよね。
僕は以前にも、この作品のストーリーは少年マンガ的だと書きましたが、「自分の弱さに直面して、それを克服することで新たな強さを獲得する」というのは熱血少年マンガでよくある展開で、それをシステマチックに説明付けしたものが心意だと言えます。
心意って、システムの隙を付いたチートプレイ的なものだと思っていましたが、実はこの世界に熱血の要素を持ち込むため、意図的にプログラムされたものなのかもと思えてきました。
心意が使える人は、自分のコンプレックスを克服した、ある種悟った人なので、その境地に達した人は心意を乱用しようとは思わず、相手が心意を使った場合の対抗手段に過ぎないと考えているのでしょう。
能美も自分のコンプレックスにきちんと向き合って、熱血したはずなのに、なぜあそこまで捻じ曲がってしまったのでしょうね。 彼がああなった背景は、いずれ説明されるのでしょう。 彼が回心する結末はあるのでしょうか。
ハルユキがいじめに負けない強さを見せたことで、タクムも過去と向き合う勇気を得た、という展開も良かったですね。 まだ多少あった二人のわだかまりも、すっかり解けたようです。
無愛想メイドキャラのレパさん登場。 「np、逆に目立たない」とか言っていましたが、この「np」とは「no problem」の略で、オンラインゲームでチャットするときに、長い文字を入れるのが面倒なために発生した略語です。 日本ではあんまり見ない気がしますが、欧米のプレイヤーはしょっちゅう使いますね。 レパさんは洋ゲーもやるハードコアゲーマーのようです。 ハルユキ君を導く、年上美人がまた増えたようです。
年下だけれど、ニコもいいキャラですね。 ロリロリした声とドスの効いた声の落差は、ちょっとした芸で、繰り返すことで「マンネリな面白さ」の域になっています。
クライマックスでは、黒雪姫やムーンレイカーも加わった「ハルユキをめぐる女性たち」の揃い踏みが見たいところですね。
ポチッとして頂けると励みになります!↓

境地に達することが出来なかったから乱用しないのだと思います。
彼らは多分見てきたんだと思います。
上の世界を。
RD 潜脳調査室の久島永一朗が逝ってしまった世界という海の一番深いところを見てきてしまった。
めぐみのいる場所であり、ハルユキのいる場所でもあるそこを。
そこは逃げることは許されない。
そこは死ぬことも許されない。
人(生物、存在)とは常に争うものであることを悟った連中の世界。
己を示せ、と。理を示そう、と。争いあう世界。
海軍対白ひげと同じ。
正義を殺しつくせるか、自由を殺しつくせるか。
答えはそんなことなど出来ない。
だから、結果はいつも同じ、互いに傷つけあいおしまい。
それがアーチャーのいう
「ただの一度の勝利も無く、ただの一度の敗走もなし」
そして人間はいつでもそう見えなくても剣を振りかざしている。
先週の記事の自殺うんぬんも見方によっては(上の世界でみるなら)メルクマールさんが「自殺」という存在に対し剣を構えている、そう見えるのではないでしょうか。
また別から見えればアクセルワールドの作者へと剣を振り下ろそうとしている。
そう考えるなら、この世界での行動は全て結局は剣を振りかざしていることになる。
それが
「この身体は無限の剣でできていた」
なのだと思います。
言葉を口にすることも歌うことも、絵を描くことも、全ては何かと戦っているということ、(壊して)進み、(喰らって)生きる、ということなんだと思います。
でもそう思わないのは、きっと戦っているんだと思います。文字、音楽、絵という概念はまだ人間にその世界に足を踏み込まなくていいとその世界(理)と戦っているんだと思います。現実(恐怖)から眼をそらすための戦いを挑み続けている。
死んで何万年たつのかはわからないですが未だに人間を信じることが出来ないで死ぬことが出来ないで戦い続けている。
それがホライゾンの言うところの、死んでるのも生きてるのも、みんなで戦争しよう、なのだと思います。
だからこそニコたちは先に進めないでいる。
傷つけ合うだけの世界。
貴様が侵し、俺が裁く、問答の余地などどこにも無い、な世界。
自分のルールに従い生きる世界。
そんなところで生きれるほど強くないと思っているから。
そして扉の前にはアクセルワールド作者のすわっているだと思います。
ハンターハンターのヒソカのように、通せんぼってことで。
ニコ達はまだそれを超えられずにいる。
そういうことなのかなと思います。
乱用しないのではなく、出来ないのだと思います、怖いから。
心意とは迷いを断つことだと思っています。
そして、それは上の世界へと潜るための必須スキル。
前回の記事の脳の建て増しですが、個人的にはアイデアマップだったのかなと思います。
進化の過程で「壊せ、喰らえ」を理解しよう連想ゲームしてきた結果。
色々な生物が種をかけて出してきた回答。
そして、胸騒ぎなどはきっとそんな淘汰されてきた生物達が「それでは駄目だ」といっているのだと思います。
迷いは無数の回答達が心配しだす忠告。
心意とはそれを断つための技術。
心配するな、黙ってみていろ、というための技術なのだと思います。
しかしそれは巣立ちを、自分のルールでやることを意味する。
それは上へ行くこと、ニコたちから見てひどい世界へと進むことを意味する。
だから乱用はできない。
技名も苦肉の策だったのだと思います。
(迷いをすて)世界と同じスピードに、と毎回考えていたらどんなに回数を制限しても考えてしまうから。
迷いとは何か、迷いを断つとは。
そして上へと行くことになるから。
ゲージが必要ないのではなく上の世界から見ればゲージはあるのだと思います。
めぐみの場合は、「迷子を放って置けない」そんな迷い(アヤカシ)と戦っていた二年間。
その戦いで貯めたゲージを使って迷いを祓った。
カンピオーネと似た感じで上の戦い下においては現象になってしまう。
そんな感じだったのだと思います。
そして、小さなめぐみは、ブレインバーストの製作者、ニューロリンカーの設計者、久島、アクセルワールド作者…が、後から来るものを信じることを難しくさせる存在を看過できぬ悪として斬った結果名のかなと思います。
みんな、ヒソカと同じなんだと思います。強くなって自分に一発入れるときを待っている。
上は真剣勝負な世界で、どこか薄情で、でも理解者もいる場所。
そんなことすら気づかない未熟者であるがゆえに心意を使えないのだと思えます。
自分の剣を受ける相手を信じることが出来ない。
まぁそれを小中学生に求めるほうがおかしいのかもしれませんが…
王たちは、他のバーストリンカーとは違う世界を見ているのかもしれませんね。
他の王は、そこから先には進もうとしないけれど、黒雪姫は進もうとしている。
なぜ彼女だけが違うのかは気になるところです。