今回は全編、『心意』の考察です。 アクセル・ワールド 第16話 『Imagination;面影』 のレビュー。
今回登場した『心意』という技?は、強くイメージすれば、それが「上書き」によって実現するという現象のようです。 『とある魔術の禁書目録』で登場する『パーソナル・リアリティ』を思わせますね。 強くイメージして、そのイメージを量子的に固定化したものが超能力だという説明でした。 パーソナル・リアリティについては、以前に『超電磁砲』のレビューで詳しく書いたので、興味があればご覧下さい。 (「パーソナルリアリティ 量子力学」等でググってこの記事を見に来られる方が、今だに結構いたりします)
パーソナルリアリティの原理の根幹は量子力学でしたが、『心意』はちょっと違うと思われます。 物理学に支配される現実世界ではなく、ソフトウエアで支配される仮想現実の話ですから。 では、どのような仕組みでしょうか。
ブレインバーストはゲームなので、それが動作しているニューロリンカーはゲーム機だと言えます。 ではまず、ゲーム機とは何でしょうか。 ゲーム機の本質は、「プレイヤーの入力を受けとり、それをもとに計算を行い、結果を出力するもの」です。 入力とはたいていはコントローラーで、出力とはたいてい画面ですね。 コントローラの『入力』を元に、ゲーム機はキャラクタや背景や弾の位置などを計算し、その結果、キャラクタが移動したとか、弾に当たったとかを、テレビ画面に『出力』します。
でもニューロリンカーは、入力はコントローラではありません。 その名の通り、脳(神経)に直接リンクしているので、考えたことがそのまま入力になるのです。 ゲーム中では、自分が手足を動かしているのと同じ感覚で、キャラクタの手足を動かせるようです。 究極のコントローラー(入力機器)だと言えるでしょう。
さらに出力は何かといえば、これもまた、脳に直接リンクされています。 ゲーム中では、自分の目で見ているのと同じ感覚で、ゲームの映像を見ることができるわけで、究極の出力機器ですね。 下図のオレンジ色のループに注目してください。 脳でイメージしたことを『入力』として、それをニューロリンカー内で処理し、結果の映像を脳に『出力』するのが、ブレインバーストの基本的な仕組みということになります。
重要なポイントは、普通のゲーム機は入力と出力が『コントローラ』と『画面』に分離しているのですが、ニューロリンカーはどちらとも『脳』だということです。 ということは、脳でイメージしたことを、わざわざニューロリンカーを通さなくても、直接脳に出力することができるのでは? つまり下図のオレンジの矢印の状態です。
通常は、脳でイメージした自分の動きがニューロリンカーに入力され、それによってキャラクタの位置・背景の動き・攻撃の当たり判定などが計算され、結果がまた脳に出力されます。 でもその計算結果と違うことを、脳で強くイメージしたらどうでしょうか。 正しい計算では届かないはずの場所なのに、「届くはず」というイメージを強く持てば、そのイメージが出力結果に上書きされて、それが本当になってしまうでしょう。 それが『心意』だと思われます。
現実世界であれば、強くイメージして、その妄想を信じ込んだとしても、それはその人の脳内だけのことで、他の人には影響しません。 「いま100mジャンプしたぜ!」とか思っても、周囲の人には見えるわけがないのです。
でもここはオンラインゲームの世界です。 オンラインマルチプレイヤーゲームというのは、個々のプレイヤーの位置等は、そのプレイヤーのゲーム機の中で計算されて、その結果がサーバーに送られ、それを周囲のプレイヤーが共有します。 だから、ハルユキが自分の位置情報を上書きすれば、それがサーバーに送られるので、周囲の人もその結果を共有することになります。 ハルユキが「100mジャンプした」と妄想すれば、それが周囲の人、例えばスカイレイカーにとっても本当になるのです。
仮想現実ということを利用した、面白い必殺技ですね。 でもこれを突き詰めると、なんでもアリになってしまうので(ってかほとんどチートなので…)、なんらかの制約はあるのでしょう。 その制約のもとでハルユキがこれをどう生かすのか、興味があります。 またこの『心意』というシステムは、単に必殺技的なものだけではなく、この世界の根幹にかかわるのではないかという気がしています。 そのあたりにも注目していきたいですね。
ポチッとして頂けると励みになります!↓

昔、俺にバスケを教えてくれた人が
「ゴールなんて見るな。お前は見てない方が成功率高いし、わかってんだか知らないけどその時は入ってもいないうちからガッツポーズしてる。だったらどうやったらそうなるのか、覚えておいたほうがいい。」
と言いました。
そして、その時にわかったのは頭のほうが先なんだということ。
そうなるときは必ずイメージが先にあり現実が遅れてくる。
そして、その事はすっかり忘れて今の仕事をしていてふと思い出しその人の言っていたことが何となくわかりました。
人間は絶対に世界に遅れをとる様に出来ているんです。
見て、聞いて、感じて、それから動く。
必ず遅れる。
加速できたとしても見ている時点でまだ遅い。
でも人間には世界を追い越す方法があってそれが想像力。
心意とはそれなのだと思います。
心が存在する意味。
心がその場を支配したい、世界より速くなりたいと願うなら。
頭はそれを叶えてくれるように出来ているんです。
それに足りるだけの経験(データ)があるのなら頭の中に世界を再現してくれる。
ハルユキがゲームでハイスコアを出した時と同じです。
ハルユキはきっとボールなんて見ていなかった。見ていたら反応できないから、頭の中にある世界での数秒先のボールを追っていた。
そうすることであのスコアを出していたはずです。
(本人に理解できていたかはわかりませんが)
最後の跳躍もそれと同じだと思います。
もともとあのアバターにはそれ位の力はあった。
しかし、世界に遅れをとることでその性能の全てを引き出せていなかった。
風に煽られてから計算したのでは間に合わない。
あの時、ハルユキは計算したんだと思います。
数秒先の風を寸分たがわず正確に。
そしてそれに対する姿勢制御をひねり出した。
でも、そういう場合、自分が何をしているかを感じる分も使って処理しているため本人には中々わからない。
わかるのはボールが手を離れゴールに入るその最後の部分のイメージだけ。
だから限界はあります。
本人の限界性能以上はどうやっても出ない。
それがスカイレイカーの言っていた。
絶対的な限界です。
ただ、人に自身の限界性能を引き出すことが可能なのかは疑問が残るところですが…
加速した世界でどれほど過ごしているのかは知りませんが黒雪姫が人間の限界にいるとは思えない
そう考えると人間はもっと自分を苛め抜けばさらに先があるのかもしれないなとか思いました。
けれど、そうしてたどり着くのはスカイレイカーと同じ場所、身体も心も擦り切れた果てなのかもしれませんが…
だからこそ人は同じ過ちを繰り返す。
そして、それを残そうとする。
一つでも多くの経験が自分の限界性能への道であることをわかっているから。
>とある魔術の禁書目録
あの中でたどり着いているのは
アレイスターだけだと思います。
アレイスターが常に優位に立てるのは全てがアレイスターの想定の範囲だから。
スポーツや自分自身ではなく本当に世界そのものを自分の頭の中に入れてしまったのだと思います。
だからアクセラレータであろうと優位に立てる。
多分それがヒロイックエイジでいうところの未来を知る力への道なのかなと思います。
どれほど見識を広めれば、この世界は時の果てまで俺の庭だ、とそんなこと言えるのか見当もつきませんが…