選挙戦の過程を丁寧に描いていて良いですね。 恋と選挙とチョコレート 第4話 『資金!』 のレビューです。
この学園の生徒会選挙は、公職選挙さながらに本格的ですが、そういう本格的な選挙活動の当事者になることは、あまり体験できません。 普段できないことを疑似体験できるのは、物語の楽しみの一つなので、そこがしっかり描かれれば良作に成り得ます。 案外、『選挙』というテーマは無かったので新鮮ですしね。 他に思いつくのは『加治隆介の議』くらいかな。
そういう点で、毛利夜雲は重要です。 選挙の素人である食研部に、彼が選挙のテクニックを伝授することで、選挙戦が本格的になるわけですから。 実際、選挙には独特なノウハウがあるようで、だからこそ「選挙のプロ」と呼ばれる、小沢一郎みたいな政治家が影響力を持てるのでしょう。
でも毛利君は、一般的なやりかたや決まりごとをアドバイスするだだけで、実際にどうするかは食研部メンバーに任せています。 資金が必要という現実に対して、全員のアイデアでなんとかするシーンは良かったですね。 食研部メンバーの個性もわかってきました。
裕樹は当初はあまり深く考えず、「部活を守るため」という単純な理由で、ダメ元で出馬したわけですが、皐月の様子を見るうちに、いろいろ考えるようになりました。 皐月は経済特待生の問題を何とかしたいと思っていて、部活動の改革がそのために必要だ、と考えています。
でも、裕樹には別のやりかたがあって良いのでしょう。 部活動の自由を認めつつ、経済特待生のイジメ問題を解決する方法はあるはずです。 そもそも、経済特待生の奨学金に充てるために部活動を潰したら、経済特待生はますます苛められそうですよ。 金の問題ではないところに、解決策はあるのではないでしょうか。
裕樹はまだほとんど泡沫候補ですが、会長候補としての自覚は生まれてきました。 彼がこれからどう選挙を戦い、さらに学園をどう変えていくのかが楽しみです。
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