2012年7月スタートの夏アニメが、ほぼ出そろったので、現時点での期待度と寸評をまとめてみました。 内容へのネタバレは、なるべく無しで書いています。 タイトルにリンクがあるものは、僕のレビューへのリンクです。
作品としての絶対評価ではなく、僕の好みにによる評価です。 また、あくまで”現時点での印象”なので、初期の評価と、今後の評価が大きく変わることはよくあります。
■Sクラス (名作の予感)
・TARI TARI (リンクは2話のレビュー)
大きな事件が起こらない、地味そうなストーリーではあるけれど、一所懸命な登場人物たちの行動には説得力がある。 等身大の少年少女を描く良質な青春ものになりそう。 映像や音楽のクオリティも素晴らしい。
・トータル・イクリプス
久々の、ミリタリーテイストが強いリアルロボットもので、メカの設定や描写だけで楽しめる。 ストーリーも2話まで見る限りでは、ドラマチックで惹きこまれた。
■Aクラス (良作の雰囲気)
・人類は衰退しました
ファンタジーに見せかけて、かなりハードなSF設定がありそうな作品。 そのあたりがストーリーにどう絡んでくるのか気になるが、絡まなくても、風刺やブラックユーモアに富んだ作風は楽しめそう。
・DOG DAYS'
登場人物が全員「いい子」で、バカ明るいお祭りのような雰囲気がとても楽しく、それを盛り上げる演出も素晴らしい。 楽しい気分になりたいときに観るのに最適なアニメなので、ぜひこの明るさを通して頂きたい。
・恋と選挙とチョコレート
マンモス学園を舞台にして、現実社会さながらの選挙戦を描くことになりそうで、伏線が既に多く張られているので、ストーリーの行方が興味深い。 キャラクタはまだ印象が薄いが、絵は綺麗。
・カンピオーネ! ~まつろわぬ神々と神殺しの魔王~
よくある伝奇バトルもので、ストーリーに特筆すべきものは無いが、第1話は主人公とヒロインの馴れ初めをじっくり描いて、ヒロインの主人公への気持ちが移り変わっていく様子がよく描写されていた。
・はぐれ勇者の鬼畜美学
勇者が魔王を倒したところから物語が始まるという、面白い設定。 主人公が最初からめっぽう強いということで、ストーリーを盛り上げるのが難しい気がするが、ちょっと変わったファンタジーが楽しめそう。
・境界線上のホライゾンII
登場人物がやたら多く、舞台設定もやたら複雑なので、とても全ては把握できないが、なんだかよくわからなくても勢いで楽しめてしまう作品。2期第1話の勢いも凄かった。
・もやしもん リターンズ
ウンチク満載の理系向け作品。 地味だけれど、2期も安定して楽しめそうだ。 地味さを改善するためか、飛び道具的な女装キャラが登場したが、すでに女装はどうでも良くなっている気もする。
・この中に1人、妹がいる!
嫁候補を探すという、典型的なハーレム設定はいいとして、そこになぜ「生き別れの妹」が絡んでくるのかよくわからないが、それだけに気になる。 ラブコメ描写が良かったので、気軽に楽しめそう。
・ソードアート・オンライン
第1話は設定の説明に終始して、ヒロインも出ないという地味なスタートなので、まだ良く分からない。 同じ作者のアクセル・ワールドが面白いので、期待はしている。
・織田信奈の野望
どちらに転ぶか分からないが、第1話を見た限りでは、タイムスリップものとして今後の展開に興味を惹かれた。 姫武将の凛々しい合戦シーンにも期待。
■Bクラス (いまひとつな感じ)
・ココロコネクト
変な部活を作って、そこでだらだらと過ごすという設定は食傷気味で、個人的にあまり良いと思わない。 男女で人格が入れ変わるというプロットも使い古されているので、とりあえず入れ換わったら乳は揉むとして、そこから話をどう膨らませるのか気になるところ。
・夏雪ランデブー
ノイタミナの少女コミック原作作品は良作が多いので期待していたけれど、主人公の打算的な性格があまり共感できず、ヒロインもフツーの女性という感じで、魅力があまり伝わってこなかった。 女性向けにはいいのかもしれない。
・輪廻のラグランジェ season2
宇宙規模の問題が、ヒロインたちの薄っぺらな友情問題に帰着するストーリーに納得感が薄く、1期はあまりピンとこなかったのだけれど、2期もあいかわらずのようだった。
・だから僕は、Hができない。
萌えエロコメディで、それ以上でも以下でもない。でも絵は綺麗で、ちゃんと作られているので、軽く見るにはいいかも。
・アルカナ・ファミリア La storia della Arcana Famiglia
女性向けの逆ハーレムものであっても、『BRAVE 10』くらい面白ければ観るのだけれど、これはそこまで面白そうではないので。 ただ出来は悪くなさそうで、ヒロインもけっこう可愛い。
・じょしらく
もっぱら楽屋で雑談しているだけの話で、アニメで観なくてもいい気がする。 絶望先生では、シャフト流のアクのある演出で単調さが緩和されていたけれど、この作品には工夫が見られない。
■Cクラス (視聴打ち切りな気分)
・貧乏神が!
ドタバタギャグだけれど、ギャグのテンションが何だか古臭くて笑えなかった。 僕のセンスに合わないだけかもしれないが。
・探検ドリランド
儲かっているゲームが原作だし、土曜日のいい枠を押さえているので、お金をかけた作品かと思っていたら、声優さんが豪華な他は安っぽく感じた。
■雑感
今期は、気軽に楽しめる作品は豊富にありますが、じっくり考察などが出来そうな作品はあまりありません。 Sクラスの2作品、『TARI TARI』と『トータル・イクリプス』への期待が、僕の中では高まっています。 少なくともこの2つは、コンスタントにレビューを書くつもりです。
Aクラスの層は厚いので、ここから頭角を現す作品が出てくるかもしれません。 映像クオリティの高い作品が多いので、あとはストーリーやキャラクタが良ければ良作に成り得ます。 『カンピオーネ!』とか『はぐれ勇者』とか良さそうなのですが、あまり話題になってないですね。
Bクラスにしたものも、1話か2話の段階ではパッとしないというだけで、今後はわかりません。 『ココロコネクト』は丁寧に作られているのは確かなので、今後化ける可能性もあります。
つまり、どれがいいのか今の段階ではよくわからない、というのが夏アニメの全体的な印象でした。 当分は幅広くチェックする必要がありそうです。

ソードアートオンラインは全25話とのことですが、他は全体的に短くまとまる作品が多いようですね。
そういうことを踏まえて今後見るかどうか、レビューするかどうかを決めてもいいと思いますよ。
個人的にもTARITARIですかね。完成度が高く、まとまりのある全13話となりそうで夏の楽しみの1つになりそうです。
fate/zeroが終わり次の作品を、と考えてましたがTARITARIや人類衰退など夏も楽しめそうです。
ホライゾンいいですよね。なかなか理解できないのでレビューが書けないのですが、好きな作品です。トータル・イクリプスは先が気になりますね。
■鮭茶漬けさんコメントありがとうございます!
なるほど、夏は1クールものが多くなりがちですが、それにしても多いかもしれません。
ソードアートが2クールというのは初めて知りました。2話も面白かったので楽しみです。
TARI TARIは、なんとなく2クールだと思っていました。花咲くいろはが2クールですし。でもtrue tearsは1クールで、あんな感じのコンパクトにまとまった作品の良さもありますね。楽しみにしています。