メルクマール

作者の田中ロミオ氏の作品は『CROSS†CHANNEL』（PSP版）をプレイしていますが、この作品については予備知識を全く持っていなくて、なんとなく『CROSS†CHANNEL』のような乾いた世界観を想像していたので、世界名作劇場のようなファンタジックな絵柄に驚きました。

『妖精さん』という存在がカギのようですね。　人類は科学技術を失っていて、それを妖精に依存しているという世界観は、神林長平の『完璧な涙』そのままで、あまりにも有名な作品なので意識しているはずです。　

ただ、『完璧な涙』に登場する妖精、『銀妖子』は、なにもしゃべらず、ただ黙々と人間のために働くロボットでしたが、この『妖精さん』はヒロインによると”進化した人類”であり、よくしゃべります。　進化しているわりに、人類を支配しているわけではなく、逆になぜかヒロインに飼われていて、お小遣いやお菓子をもらって喜んでいるようです。　このねじれた関係は何なのでしょうか。　そういうプレイなのでしょうか。

人類が衰退している理由も、まだ不明です。　気候が寒冷化したわけでも、酷い環境汚染があるわけでもなさそうです。　人々は健康そうで、年齢構成も自然なので、出生率が落ちているわけでもないのでは。　その理由は、この作品のSF設定に直結しているはずです。 ただ今のところ「衰退しました」というほどの切迫感はありません。

ヒロインが一人で突っ込むギャグがウリなのかもしれませんが、あんまり笑えませんでした。　でも最後のは不意打ちでしたね。　ありがちなパロディですが、この作品のほのぼのした雰囲気であれをやられると、笑ってしまいます。　こういうブラックユーモアが味なのでしょう。

そんなわけで、まだよくわからず、物語もあまり動かず、1話としてはフックが弱かったかもしれません。　でもSFとしてはまだまだこれからでしょうから、視聴はもちろん継続します。　レビューをするかは様子見で。

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