メルクマール

千太郎は見た目に反して繊細で、空気を読むし人の心も読みます。　律子が薫のことを好きなのも、すぐに気付いてしまいました。　まぁ、ピアノで「いつか王子様が」を弾いていたら、バレバレではありますが、あれを聞いたのが薫だったら気付かないでしょう。　薫は単純で、人間関係は表面的なことしか見えていません。

薫は悩みはするけれど、いざとなったら本心をぶつけることを恐れません。　律子に告白したし、千太郎に対して正面から「君のことが心配だ」と言えました。　見た目に反して、男っぽい竹を割ったような性格なのですよね。

千太郎は、普段はあけっぴろげだけれど、本心は心の中に溜め込んでいて、誰にも明かしません。　彼はこのところ、ダメージを受け続けていました。　好きな女を尊敬していた兄貴分に取られて、しかも憎からず思っていた幼馴染は、親友のことが好きなようです。　誰にも相談せず、自分で決着を付けてしまったけれど、それは彼の心を着実に弱らせていたでしょう。　そんなところに、彼が恐怖心を持っている父親が帰ってくるということで、逃げ出したくなるのも無理はありません。　彼はその悩みを、家族にも親友にも明かすことができないのだし。

薫が母親に会うために旅をしたとき、千太郎は心配して付いてきて、さりげなく支えになってくれていました。　今度は薫の番でしょう。

いい感じになりかけていた薫と律子の関係にも、影響を及ぼしそうではあります。　薫は恋よりも友情を取るタイプでしょうし。

今回は演奏シーンが無いのが淋しかったですが、久しぶりに３人の交流がじっくり描かれたので、見ごたえのある回でもありました。

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