後味がいいような、悪いような。 それもこの作品の味なのでしょう。 ヨルムンガンド 第10話 『Dragon Shooter phase.2』 のレビューです。
前回のレビューで、ヴァルカン・ドラゴンのモデルはセルビアの『スコーピオン』ではないかと書いたのですが、やはりセルビアの民兵組織で『アルカン・タイガー』というのもありました。 語感的にこっちがモデルかもしれませんね。 リーダーは『ジェリコ・ラジュナトヴィッチ』と言い、セルビア人の中では名士で、サッカーチームも持ってたそうです。
アルカン・タイガーは戦車やヘリコプターも持っていたそうなので、対空ミサイルも持っていそうです。 ココたちはミサイルに狙われますが、122mm砲を輸送機に積んで反撃するという、奇想天外な手で切り抜けました。
完全に奇想天外でも無くて、輸送機に大砲を積んだ、ガンシップと呼ばれる兵器は実在します。 米軍の『AC-130』はハーキュリーズ輸送機をベースに、本来は砲兵用の火器である105mm榴弾砲等で武装したものです。
強力な攻撃力を持ちますが、防御力は脆弱なので、互角に戦っている戦場には投入できません。 圧倒的に優勢な戦場(非対称戦)で、逃げまどう残敵を上空から掃討するための兵器です。 新作が出るたびに1千万本以上売れる『コール・オブ・デューティー モダン・ウォーフェア』というゲームには、AC-130のガンナーとして掃討戦をするシーンが毎回入っていますが、実際にプレイすると、とても凶悪な気分になれますよ。
マオが大砲で対空砲を一掃するシーンは、爽快ではあったけれど、そのゲームでの複雑な感覚を思い出してしまいました。
ココは、ヨナがドラガンを殺そうとしたときに止めますが、ココとしてはヨナを兵士として雇いつつも、なるべく人殺しはさせたくないと思っているのでしょうね。 矛盾していますが、そもそも彼女は、戦争を止めるために兵器を売っているので、矛盾しているところは一貫している?のでしょう。
ドラガンはCIAに捕獲されますが、これは平和な幕切れだと言えます。 ビン・ラディンのように、CIAの無人機に殺されなくて済んだのだから。
医師団も全員無事で、めでたしめでたしではあるのですが、ココとその仲間たちの存在の矛盾が、気になった回ではありました。 これは今後効いてくるのではないでしょうか。
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