メルクマール

シルバー・クロウはブレイン・バースト唯一の完全飛行型ということで、当初は有利に戦えていましたが、特性を理解されると苦しくなってきました。　実際、空を飛ぶというのは敵に身を晒すことでもあり、本質的には脆弱です。

1960～70年代は、航空機の性能が大幅に向上したために、「航空兵器があれば他の兵器はあまりいらないんじゃね？」という思想が力を持った時代がありました。　イスラエルがそれに近くて、彼らは航空機があれば砲兵はいらないと考えました。　イスラエルは周り中が敵国ですから、どこから攻められるかわかりません。　砲兵は移動速度が遅いので、まんべんなく配置する必要があり、どうしても布陣が薄くなります。　航空機であれば、西の国境に行って爆撃し、次に東の国境に行って爆撃し、ということができるので、合理的だと考えたのです。

その戦術のおかげもあって、イスラエルはアラブ陣営との度重なる戦争に勝ってきましたが、敵もそこから学びました。　第四次中東戦争で、いつものようにアラブ地上部隊に襲いかかったイスラエルの戦闘爆撃機を待ち受けていたのは、ソ連製の最新式の対空ミサイルで、それによって大被害を受けてしまいます。

地上部隊の支援無しに、航空部隊だけが突出するのは難しいということですね。　対空ミサイルに対抗できるのは、地上部隊（戦車など）しかありません。　対空ミサイル　→　航空機　→　戦車　→　対空ミサイル　という三すくみ（じゃんけん）の関係です。　イスラエルは初戦の打撃が響き、滅亡の淵まで行きましたが、その後地上部隊と連携して航空部隊を運用することで、反攻に成功しました。

ちなみに近年では、航空機は優位性を取り戻していて、それはステルス技術のためです。　地上部隊の支援が無くても、敵に見つからなければ、前線の奥まで入り込んで攻撃することができます。　湾岸戦争では、米軍はステルス機で防空レーダーや対空ミサイルを潰しました。

つまり、ハルユキは第四次中東戦争当時のイスラエル状態であり、取れる戦術は3種類あると思えます。 まずは「１．地上部隊と連携して動くようにして、あまり突出しない」で、これは一番現実的ではないでｙそうか。　次に「２．ステルス性を身に着ける」。これが出来ればいいですが、そういうスキルは今のところなさそうです。　ハルユキがやろうとしているのは「３．なんとか対空放火を避ける」で、彼はプレイヤースキルが高いので可能なのかもしれませんが、本質的には不利な戦いであり、どこまでやれるのかは疑問があります。

ベタベタな妹キャラが登場したなと思ったら、やはり演技でした。　要塞のようなアバターは迫力がありますが、あれも能力を特化した、ある意味奇形的なものなので、つけいる隙はありそうです。　「巨大戦艦はロボット一機に落とされるって、昔から決まってるんだぞ」というのはその通りで、機動力を犠牲にした兵器は成功しないと思えます。

これはゲームですから、ゲーム的な攻略が有効なはずで、ミサイルの発射口や、定期的に開く排気口を狙うといった、ゲームの巨大ボスで定石の攻略法があるのではないでしょうか。

スカーレット・レインは黒雪姫と会おうとしていますが、それは戦うためなのでしょうか？　なにやらそれどころではない事態が進行しているようでもあり、気になるところです。

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