目に見えるものが真実とは限らない。 LUPIN the Third ~峰不二子という女~ 第6話 『愛の牢獄」 』 のレビューです。
騙しているつもりが騙されていて、でも実はやっぱり騙していたという、スパイものを思わせる二重三重のどんでん返しでした。 不二子を騙そうとするオスカーの手腕はなかなか見事だったけれど、実は不二子の手の平の上で踊っていたのですね。
不二子は「憧れの女教師」を演じていて、オスカー(イゾルデ)も「恋に溺れる少女」を演じていて、その様子は傍から見ると古典的な少女小説のように綺麗だったけれど、腹の底はドロドロした騙し合いでした。 種明かしの後で百合シーンを見なおすと、また味わい深いものがあります。
銭形の偽の電話は、僕はルパンが声色を使ったのかと思っていたのですが、そうではありませんでした。 このシリーズでのルパンは、例えば銭形そっくりに化けるような超人的な(漫画的な)変装技術は持っていない設定なのかもしれません。 それはリアリティを出す意味もあるでしょうけれど、不二子の変幻自在ぶりを強調するためでもあると思えます。 毎回、不二子はいろんな役に化けていて、今回のそれ自体に多面性をもつ女教師役も見事でした。 その不二子が主役であって、ルパンはあくまで引き立て役ですからね。
不二子の子供の頃の回想が入りました。 エンディングに子供時代の映像を使っているのは、このためなのですね。 過剰な愛ゆえに虐待されていたような雰囲気がありました。 彼女にとって愛情とは、自分を傷つけるものなのかもしれません。
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