やっぱ夕子さんはいいな。 個人的には今期ベストヒロインかもしれない。 黄昏乙女×アムネジア 第3話 『昏黒乙女』 のレビューです。
僕は『オカルトもの』を素直に楽しめない性分です。 ほとんどのオカルトは、科学的センスが無い人が騙される世迷言だと思っているから。 『スピリチュアル』もこれに含まれます。 占いとか霊とか預言とかの99.9%は、勘違いか詐欺でしょう。
でも、科学で説明できないことがたくさんあるのも確かなので、いわゆるオカルト現象の中には本物もあるでしょう。 だからすべては否定しませんが、よくあるオカルト現象について「やっぱり本当だった」というノリの作品は、受け入れがたいのですよね。 例えば『世紀末オカルト学園』がそれでした。 あれはパロディでもありますが。
その点この作品は、その手のオカルトものとは少し違うようです。 学校の怪談話はいろいろあるわけですが、そのほとんどは勘違いで、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」の類だと言っているのですね。 人は見たいと思ったものを見てしまうので、見たと思ったものが本当とは限らないと。 まさに、それがオカルトの正体です。
その思想がベースにあるので、夕子さんが歴とした幽霊であることは、ファンタジーの設定として受け入れられます。 幽霊と一緒に「幽霊話」の裏にあるタネを探すという、一風変わった作品になるのでしょう。 面白いですね。
夕子さんが、自分が何者か分からないことはサスペンスであり、ヒロインが背負った不幸です。 霧江が言うように悪霊かもしれず、そうではないと自分では否定できないのは恐怖でしょう。 でも彼女はあまりに淋しいので、迷惑をかけるかもしれないと思いつつも、貞一を求めずにはいられないのでした。 このヒロインの造形はとても良いですね。
その背負った不幸と、普段の明るさとのギャップが、夕子さんをさらに魅力的にしています。 CVの原由実さんですが、以前にプレイしたPSPゲームの「白衣性恋愛症候群」に出演されていて、とてもいいなと思ったのを思い出しました。 その当時にWikipediaで調べて、あまり出演作が無いので残念だと思っていたのですが、この作品でたっぷり聞けて嬉しいです。 幽霊らしいミステリアスな雰囲気と、年頃の女の子らしいスイートな雰囲気を兼ね備えた素晴らしい演技で、夕子さんの魅力の大きな要素になっています。 ドラマCDからほとんどの声優さんが変わっているようですが、夕子役だけそのままなのは、あまりにハマっていて代わりがいないからでしょう。
夕子さんを、可愛く色っぽく見せる映像演出にも余念が無いしね。 無意味にパンチラしまくる作品は好きじゃありませんが、こういうホラー作品にはエロティシズムは必要ですから、大いにやってほしいと思います。
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原由美さんはアイドルマスターの四条貴音役でしか知らなかったので、夕子さんのような可愛らしい演技もされるのかと驚きました。
性格は全く違いますが、貴音も夕子さんもミステリアスなところは似ていますね。
息の使い方が素晴らしく、声を発する毎に妖艶さが滲み出るようで一層魅力的だと思います。
アイドルマスターはPSP版ゲームを少しやったのですが、四条貴音はプロデュースしませんでした。確かに、ミステリアスな感じだったかも。
ウィスパーボイスってやつなのでしょうけれど、たしかに息遣いが生っぽくて、ヘッドフォンで聞いていたい声ですね。