地味だけれど、かなり重要な回だったように思えます。 アクセル・ワールド 第3話 『Investigation;探索』 のレビュー。
説明が多い作品ですが、今回も半分くらいがゲームシステムと状況の説明に費やされていました。 凝った設定なので仕方ないのでしょうけれど、おかげでいろいろと分かりました。
人間が持つ望みで、もっとも不遜なものは何でしょうか。 それは「あらゆることを知りたい」という望みでしょう。 つまり神になるということだからです。 神は知恵の実を食べた人間を、エデンの園から追放したのでした。 その望みに比べたら、金持ちになりたいとか、権力が欲しいといった望みはちっぽけなものです。
純色の王たちは、加速によって得られるメリットに満足して、それを失わないために保身を優先しました。 でも黒雪姫はそんなことにはあまり興味が無くて、彼女が願ったのは、ブレイン・バーストとは何なのか、その全てを知ることでした。 それは神、つまりブレインバーストの製作者と同じ高みに上ることを意味します。
製作者は、レベル10のプレイヤーが現れるのを待っているはずです。 おそらくそれが、このゲームを作った目的だから。 でもその目的が何なのかはわかりません。 それを知りたいという黒雪姫の気持ちには共感できます。
バトルものでは、主人公たちが戦いに身を投じる理由が必要ですが、これはなかなか納得できるし、彼らが絶望的に不利な状況にあるという緊迫感をもたらしています。 良く出来た設定だと思いますね。
直結すると、相手のニューロリンカーのファイルがすべて見えてしまうらしい。 セキュリティ的には難があり、よほど信頼し合っているもの同士でしかできないので、だからこそ異性と「直結する」というのは特別な意味を持つのですね。
春雪は、千百合と直結しているときに、千百合のニューロリンカーにバックドアがあるのを見つけます。 バックドアとはマルウェア(悪意のあるソフトウェア)の一種で、他人のシステムを外から操るための『裏口』です。 あなたが今使っているPCにもあるかもしれません。 バックドアは、コンピュータ・ウイルスの感染で作られたり、ネットから落としたソフトにこっそり入っていたりします。 バックドアを使えば何でも出来ますが、たとえば他のコンピュータを攻撃するための踏み台に使ったりもします。 もし攻撃がバレても、操ったコンピュータがバレるだけで済むからです。
黒雪姫は自分を襲った相手として千百合を疑っていましたが、千百合はバックドアに操られて踏み台にされていたのでしょうね。 ならば誰がバックドアを仕掛けたかということですが…。 それについてのヒントは十分に散りばめられていました。 先は読めますが、フェアな伏線を張っているということで、いいんじゃないでしょうか。
今回は説明と伏線の回なので地味ではありましたが、映像的な見どころもちゃんとありました。 動きが少ない分、キャラクタが丁寧に描かれてるし、千百合と直結するシーンの、どこか背徳的な雰囲気も良かったですね。 ストーリーも映像もクオリティが高く、エンタテイメント性も高いので、僕はこの作品が今期で一番楽しみかもしれません。
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「お約束」があります。短ければ短いほど、親密だと言うことですね。
ちなみに、このシーンのチユリとの直結ケーブルは30センチとのことです。
そもそもチユリは、なぜ30cmのケーブルを持っていたのでしょうね。タクムとは彼のケーブルを遣っていたようですが。
厳重なシールドが必要なためコストが高いので、オマケは短いとのこと。
ちなみに市販品の短いのでも1mはあるようなので、わざわざチユリは
より短いのを出して来たのではないかと思います。
チユリは黒雪姫への対抗意識から、より短いケーブルを使ったというのはありそうですね。
何故なんでしょうか?
この作品は好きだし、レビューの反響もあるので、次回はぜひ書きたいと思っています。今後ともよろしくおねがいします。