「謎の女」としての描き方が、見事に考えられていますね。 LUPIN the Third ~峰不二子という女~ 第3話 『淑女とサムライ』 のレビューです。
今回の不二子は家庭教師で、子供たちの服装や、歌いながら歩く様子から、『サウンド・オブ・ミュージック』みたいだなと思っていたら、不二子の偽名が『マリア』で雇い主が『トランプ』ということで、あからさまにサウンド・オブ・ミュージックのオマージュですね。 今回の不二子の可憐で子供思いな様子を、ジュリー・アンドリュースに重ねて欲しいということなのでしょう。
不二子は第1話でルパン、第2話で次元と出会いましたが、そのたびに相手好みの姿をしているのですよね。 ルパンのときはゴージャスな美女、次元のときは淋しい人妻、そして今回の不二子は可憐で献身的な家庭教師でした。 五右衛門好みなのでしょう。 不二子の変幻自在ぶりが印象付けられています。
不二子はお目当ての美術品よりも、子供の安全を優先しました。 「悪女と言われるけれど、実は優しいんだね」と思わせつつ、最後に種明かしがありましたね。 不二子の狙いは最初から国王のベルトで、そのために子供を気遣うふりをして、ベルトをまんまとゲットしたのだと。 不二子は五右衛門の前だけでなく、視聴者さえ騙して、「献身的な家庭教師」を演じていたわけです。
でも本当に、すべて演技なのでしょうか。 実は美術品を狙っていて、それを諦めて子供を助けたのだけれど、それを認めたくないので「ベルトが目当てだった」と言い訳したのでは? 真実は分かりませんが、永遠に謎でいいのでしょう。 不二子は永遠に「謎の女」なのだから。
不二子を中心にすることで、不二子の「謎の女」のイメージが損なわれてしまうのではないかと、当初は危惧していたのですが、そこに抜かりは無かったですね。 不二子を描くことで、さらに不二子の謎が深まるという描き方は見事です。
謎だけでなく、不二子はとてもカッコよく描かれていて、この作品はそれでいいと思えます。 不二子の弱みとか、人間的な所とかは特に見たくないのですよね。 今後もカッコいい不二子を見せてくれることでしょう。
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