いまどきの戦場の様子がリアルに描写されているのでは。 ヨルムンガンド 第2話 『PULSAR』 レビューです。
ココは武器商人をしている理由を問われて「世界平和のため」と言っていましたが、彼女のポリシーがいくらか分かった気がします。 武器商人は「死の商人」と言われるように、戦争や紛争を利用して肥え太っているというイメージがありますよね。 戦争が長引いたほうが商売になるので、戦っている両方の陣営に武器を渡すこともためらわないような。
でも、そんな人ばかりではないのかもしれません。 戦争が無くならない以上、武器は必要なもので、必要な人に武器を売るのも立派な仕事です。 ココは泥沼化するような案件には手を出さないポリシーのようで、武器を渡したことで紛争が収まるような仕事を目指しているように見えます。 だから過剰に武器を欲しがる顧客の言いなりにはならないのでしょう。
前回、ココが取引した相手に同業者がさらに武器を売ろうとしたとき、ココは容赦なく潰しましたが、それはこのポリシーのためでもあるのでしょう。 せっかくバランスを取ろうとしているのを、台無しにするのは許せないと。
そんなココのやりかたは、矛盾を抱えてもいますが、武器商人の家系に生まれた境遇で最大限にやれることをやっているとも思えます。 クセの多い仲間たちは、そんなココのポリシーに共感しているからこそ、ついてきているのでしょう。 ヨナも、ココのことが少し分かったようでした。
前回に続いて同業者が登場しました。 カリー社長とかいう人ですが、彼はなぜココを「スケープゴート」にしょうとしたのでしょうか。 ここはヤバそうだというキナ臭さを感じて、後のことを押し付けようとしたのでしょうね。
実際、普通の正規軍同士の戦いでは無かったのでしょう。 ポルック少佐は携帯電話が使えないのをいいことに、徹底した情報統制をして紛争を隠し、パイプラインを押さえて利権を得ようとしています。 やっていることは夜盗と変わらず、バレなくきゃ何をしてもいいと考えているでしょうから、まともな商売は望めないわけで、とっとと逃げるに限るでしょうね。
そんな緊迫した状況からの逃走劇だったわけですが、一発も銃を撃つことなくやってのけたというのが今回のミソでした。 敵を殺さなかったことで、さらなる殺しをやらなくて済んだわけです。 武器は使うためにあるのでは無いということなのでしょう。 ココが納入した対空ミサイルも、抑止力になって戦闘を鎮静化させることに役立ったようでした。
1話はアクション重視で、どういうストーリーなのかはよく分からなかったのですが、2話で方向性が見えた気がします。 ありそうな紛争の描写もリアルに感じました。 今後も注目しています。
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久しぶりにコメントを書かせていただきます。
私も第1話では、面白いとは思うものの、それほど強烈な印象は持てず、これまで黒田さんが脚本を担当された作品から特段飛びぬけているとはいえない印象を受けました。「あの夏」しかりです。
ただ、今回の2話では、キャラがとても魅力的に描かれていて、一癖二癖ある人たちを楽しそうに動かしているところに「おっ」と思わされました。原作との相性・監督との相性によってかなり左右されがちな黒田さんの脚本ですが、「ヨルムンガンド」とは相性がいいように思われます。スタイリッシュというより、コミカルといった雰囲気ですね。会話劇が楽しみでもあります。
今期アニメは、粒ぞろいではあるものの、最近の流行のせいかどうしても「薄い」気がするので、こういった作品が出てくるというのはとても嬉しいですね。