ヒーローものとして直球な設定なので、どこにオリジナリティを出していくのかな、と前回のレビューで書いたのですが、ジンとコウガという二人の対称的な人物を平行して描く、ジェフリー・アーチャー・スタイルのようですね。 ZETMAN 第2話 『紅蓮の中で』 のレビューです。
ジェフリー・アーチャー・スタイルというのは、僕が勝手にそう呼んでいるのですが、「生まれた時から恵まれていて、エリート街道を進んできた主人公」と、「極貧の中で生まれて、そこから這い上がってきた主人公」の二人を平行して描く形式のことです。 「ケインとアベル」とか、「メディア買収の野望」とか、ジェフリー・アーチャーの小説はたいていこれだからです。
このスタイルでは、両方の主人公が正反対の人物でありながら、それぞれに魅力的である必要があります。 いまのところ、カッコよさがジンに偏っている気がしなくもありませんが、人命救助での対立ではコウガの言い分にも利はありました。 今後もいろいろな局面で、価値観の違いで対立することになるのでしょう。
「正義の味方ごっこ」というのは、子供のころにカブれて、やがて飽きるものですが、コウガの場合、なまじ親から「正義の味方ごっこ」を禁じられてしまったために、そこから卒業できずに大きくなってしまったのでしょうね。 でもそのおかげで、金持ちの御曹司でありながら、真っ直ぐな人物に育ったようです。
小葉が慈善事業に熱心なのも、やはり「正義の味方ごっこ」を引きずっているせいかもしれません。 父親や祖父が悪事を働いていることに薄々気づいていて、その罪滅ぼしでもありそうですが。
なかなか、展開が速いですよね。 前回の子供時代から急に大きくなったと思ったら、旧友と再会し、敵が出現し、旧友と共闘し、敵の手に落ちる、というめまぐるしさでした。 原作もこうなんですかね? このスピード感は悪くないと思えます。
ジンは、大怪我して死にそうになった時に限って変身できるのでしょうか。 ZETMANの強さの理由や弱点は何でしょうか。 ZETMANについてはまだまだ謎が多いですね。
思ったより類型的ではない、ダイナミックなストーリーになりそうなので楽しみが増えました。
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同じものを追い求める全く正反対の境遇の二人というと、J・アーチャーよりも古い「ガラスの仮面」の方を思い出してしまうのですが(笑
貧しい境遇の少女は天分に恵まれ、裕福で環境に恵まれた少女は、大変な努力の上で名声を築いている、という構図も似ているかと思います。
ベクトルが異なりますが、今期スタートの「宇宙兄弟」も似ているでしょうか。
きっとこういう対比構造は、ストーリーをドラマチックに盛り上げ易いのでしょうね。
主人公を二人作るなら、どうせならば対称的なほうが盛り上がるということなのでしょう。
二人の主人公は、反発したり、戦ったり、認め合ったりしながら、お互いを高めていくことになります。この作品もそんな展開になるのでしょう。盛り上がりそうですね。
ケインとアベルよりも、ガラスの仮面のほうが(数年ですが)古いのは意外でした。