ある意味、弁天丸最大のピンチ。 モーレツ宇宙海賊 第14話 『茉莉香、募集する』 のレビューです。
「ハロルド・ロイド保険組合」については、これまでも何度か会話に出ていましたが、今回ついに担当者が登場しました。 海賊稼業にはなくてはならないパートナーのようです。 名前からして、実在する保険組合のロイズ(ロイド)の末裔なのでしょう。
保険って、自動車保険とか傷害保険とかいろいろありますが、その元祖は海上保険です。 ルネサンスになって海上輸送が盛んになりましたが、航海は利益が大きいものの、悪天候で沈没したり海賊に襲われたりとリスクも特に大きかったので、リスクを多くの人で分担する仕組みとしての保険が不可欠だったのです。 生命保険も、船で運ぶ奴隷に掛けたことから始めっています。 ロイズはそもそもはロンドンのコーヒーショップだったのですが、保険業者がたむろするようになり、やがて世界最大の保険市場になりました。
そもそも海賊は、保険会社にとってはリスク要因(事故とか火事のたぐい)のはずですが、海賊営業が公認のものになったこの世界では、保険会社がむしろ海賊営業のプロモーターをしているようですね。 面白い話です。
「弁天丸の船長がパンツルックじゃ沽券に関わる」とグリューエルに言われてミニスカートのスーツになるわけですが、たぶん茉莉香の知らないところで「弁天丸の艦長と言えばミニスカート」というトレードマークになっているんでしょうなぁ。 ちなみに、女性用のスーツを最初に流行らせたのはココ・シャネルですが、彼女は「膝は醜いから隠すべき」というポリシーで、ミニスカートは否定していたそうです。 ミニスカ宇宙海賊にダメ出しです。 膝、いいと思うんですけどね。
弁天丸の臨時乗組員を探して、結局はヨット部のメンバーに頼むことになる、というのは読めた結末でしたが、チアキとその父親が気づきのキッカケになるのがよかったですね。 チアキは結局、また茉莉香やヨット部メンバーと航海がしたかったのだろうな。
ケンジョー・クリハラがただの船乗りではなく、船長であることを見ぬいたのは、人の上に立つリーダーとしてのオーラを感じ取ったからなのでしょうね。 茉莉香自身もそうだから。 ケンジョーも茉莉香のことが気に入ったようです。
ヨット部のオデット2世は元海賊船とは言え、武装を下ろした練習船でしたが、弁天丸は正規軍の護衛艦を軽くあしらう強力な戦闘艦であり、それを女子高生が運用しちゃって大丈夫なんでしょうか。 しかもこれまでは、経験豊富な乗組員達に助けられたからこそ、船長の重責をこなせていたのですが、このメンバーでは茉莉香が一番の経験者なので、よりリーダーシップを発揮しなければなりません。 しかしそれは、彼女がさらに成長するキッカケにもなりえるのでしょう。
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