古き良きスペースオペラ。 モーレツ宇宙海賊 第11話 『閃光の彷徨者(ワンダラー)』 のレビューです。
全体に古いSFっぽさが漂う作品で、それが味なのですが、『亜空間』という言葉も懐かしいですね。 "Sub Space"の翻訳で、昔はよく使われましたが、最近は"Hyper Space(高次元空間)"のほうが好まれるようです。 でも、あの世とこの世を行き来しているような幽霊船には、『亜空間』がふさわしい気がします。
護衛艦6隻を三角柱の頂点に配置して、その超光速機関を動かして時空震に揺さぶりをかけることで、幽霊船をこの世に出現させるとは、なんとも大掛かりな作戦で、相手ながら天晴ですね。 むしろこの技術が開発されたことで、幽霊船探しが現実的な目的になり、一連の騒動が始まったのかもしれません。 宝の地図が見つからなければ、宝探しは始まらないわけで。
弁天丸は、さまざまな予想外の現象に翻弄されて、プロフェショナルな彼らにしては対応が後手後手に回っていました。 空間がそもそも荒れていて、そこに巨大な宇宙船が亜空間から出現するという状況では、何が起こるのかは計算しきれないのでしょう。 相対論的や量子論な効果がたくさん出るだろうから。
科学が進歩しても、分からないことはたくさんあります。 例えば半導体プロセスの開発はすでに量子論の領域に入っていて、従来の電気回路設計の理論ではわからないことが起こり、かつ量子論的現象を設計に完璧に予測する手法はまだ実用化されていないので、いろいろ作って試すしかないそうです。 この物語の世界でも、亜空間の現象について、計算しきれないことがまだあるのでしょう。 次々と襲う状況に対処する、緊迫感のあるシーンでした。
グリューエルの妹、グリュンヒルデが登場しました。 似ているというよりはそっくりなので、双子かクローンなのかもしれませんね。 『黄金の幽霊船』の認証を王女は解除できるようですが、むしろその認証を解除するために作られたとか…
「いいように利用されていますね」と、グリューエルは言いましたが、つまり王家に対立する派閥(軍部?)が、象徴としてグリュンヒルでを担いだということなのでしょう。 典型的なお家騒動ですが、さらに認証のためには王女が必要だという意味もあるのでしょう。
そんな不幸なお家騒動を終わらせる鍵が、『黄金の幽霊船』にはあるのでしょう。 宝探しの顛末はどうなるでしょうか。
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