メルクマール

ドロドロした三角関係、みたいになるのかと思っていたのですが、そうはならないようで、響と翼と未来の三人はいい友達になりましたね。　このところの翼には、戦う理由に迷いがあったのですが、楽しい日常を過ごしたことで心境の変化があったようです。

サブタイトルの「防人の歌」とは、万葉集に収められている防人（さきもり）たちが詠んだ和歌のことですね。　防人は九州での兵役に就かされた農民で、家族から遠く引き離され、武器も食料も自腹で、かつ税も免除されず、兵役を終えて帰郷するための旅費も自腹という、ブラック企業どころではない過酷さだったそうです。　なので防人の歌は、どれも悲痛なものです。　「服にすがって泣きじゃくる子供たちを置いてきてしまった。母親もいないのに」とかですよ。　

翼は自分のことを防人に重ねていましたが、それは自分の幸せを顧みずに戦いに身を捧げるという、悲痛な想いからなのでしょう。　普通の人生を楽しむことを諦めていた彼女だけれど、でも今回、普通に楽しめてしまったので、自分の日常も含めて人々の日常を守ればいいんだ、という気持ちになったように見えました。

また、彼女にとっての歌は、戦うためのものでしたが、素直に歌が好きだという気持ちを出せるようになったようです。　このことは、彼女のシンフォギア奏者としての成長にも繋がるのかもしれません。　響は聖遺物と身体が一体化しているという、基本能力の高さが強みですが、それに対して翼の強みは歌唱力ということになりそうです。

了子は、響たちのとガールズトークが弾んでいましたが、あれはいつもの演技ではなく、心から楽しんでいたようで、そんな自分に戸惑っていました。　響は翼だけでなく、了子も変えつつあるのかもしれません。

一方クリスは、自分が何のために生きているのか分からないという、アイデンティティの危機からまだ抜け出せていないのですが、それにはもう少し時間が必要でしょう　風鳴も急ぐつもりは無いようです。

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