メルクマール

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この作品は当初期待作だったのですが、期待したほどにはノレていない部分がありました。　みんなで映画を作り上げるという青春ものの要素や、好きな子が宇宙人というシチュエーションからのラブコメ要素を期待していたのですが、そういう部分は薄くて、グループ内での青い恋愛話がもっぱらだったからです。　どこにでもありそうなストーリーで、親しみは持てるけれど、フックに欠けるなと。

例えは「あの花」は、あれもグループ内での惚れたハレたの話ですが、めんまを巡る騒動や、めんまの願いを叶えるという目的がフックになっていたのです。　この作品としては、イチカが宇宙人という要素をもっと前面に出してこそ、持ち味があると思っていたのですが、ようやくそうなるみたいですね。

前々回でしたが、りのんが千春にペシャンコにされた時、警告画面のようなものが表示されて、りのんがやたらと焦っていました。　何が起っているのだろうと思っていましたが、ペシャンコになったショックで、救難信号が発信されたらしい。　それはイチカにとってかなり具合が悪いことのようです。

もし宇宙人がいて高度な文明を持っているならば、地球にたくさん来ているはずで、なのに見つからないのはなぜかという「フェルミのパラドックス」がありますが、それに対する反論の一つに「動物園仮説」があります。　地球は宇宙人にとって自然保護区のようになっていて、干渉することが禁じられているという説ですね。　この作品でも、地球はそういう扱いになっていて、イチカはその決まりを破って地球に来ているのかもしれません。　救難信号でやってきた『無人救助機』は、イチカを強制的に連れ帰ろうとしているように見えます。

この騒動によって、少なくとも海人には、イチカが宇宙人であることがバレたでしょうから、ここからそのシチュエーションを使ってどう盛り上げていくかに期待したいところです。　イチカと海人に残された時間は、もうあまり長くないのでしょう。

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