メルクマール

舞台設定を説明する回でした。　宇宙人たちは、かつて地球上に存在した文明の子孫だということで、まぁそうなんだろうなと思います。　宇宙人がたまたま人間型に収斂進化したというSFは多くありますが、それにしても似過ぎているし、彼らの伝説の存在が地球上にあるということも、それを示唆していました。

SF雑誌がアメリカで盛んだった1970年代、アジモフズSF誌の編集者のジョージ・シザーズが「最悪なSFの結末」をいくつか挙げていて、その一つが「その恐ろしい怪物は、地球という惑星から来たのだった…」だそうです。 　宇宙人が実は地球人というのは、まぁありがちなわけですが、この作品はもちろんそれがオチではなく、設定に過ぎません。　壮大な設定のわりに、鴨川という一地方を舞台に小競り合いしているだけですが、そのローカル感が味なのでしょう。

レガリテの王室に古くから伝わる歌、ですが、「萌黄の大鬼、天を裂き　浅葱の大鬼 星を食い　柑子の大鬼、闇を裂き　数多の贄で地に納さむ」 と聞こえました。　萌黄は緑色なのでウォクス・アウラ、浅葱は水色なのでリンファ、柑子はオレンジ色なのでイグニスのことだと思われます。

「ウォクスが結ぶ輪廻の輪が、再び世界を滅ぼすのを恐れた」とモイドは言っていました。　つまり世界を滅ぼすほどの力があり、それがウォクスをめぐって宇宙人たちが争っている理由でしょう。　どうやら、モイドはウォクスの秘められた力を解放させようとしていて、ヴィラジュリオはそれを阻止しようとしているらしい。　そしてノウムンドゥス会長であるアステリアは、モイドと協力しつつも、その敵であるヴィラジュリオの考え方に近いようです。

進んだ科学力を持つ宇宙人に対して、地球人は脆弱なので、宇宙人同士の対立をうまく利用して立ち回るのは必要な戦略であり、アステリアが若年にもかかわらず権限を持っているのは、そういう外交センスに優れているからかもしれません。

まどかは、何を考えているのか良くわからない人だと思っていましたが、今回はなかなか思慮深く行動していました。　感情的にはウォクスから降ろされるのは嫌なはずだけれど、論理的に考えれば乗らない方が良いわけです。　まどかは天然なようでいて、いろいろ考えているのかもしれません。　

主人公が主人公メカに乗ってはいけないという制約が課せられたわけで、興味深い展開です。　登場人物も揃い、舞台は整ったはずなので、ここからバトル展開になることが期待されます。

ポチッとして頂けると励みになります！↓