メルクマール

空と莱香さんが鉢合わせ、のシーンを楽しみにしていたので、今回は嫉妬する空が見られて良かったですよ。　僕はこの手のシチュエーションが好きで、天使のように可愛く嫉妬することを、”ホーリーシット”と呼ぶよう提唱しています。

莱香さんは、料理が上手で子供が好きという、意外にも「いいお嫁さんになる」タイプでした。　祐太君も、あの年でなかなかに家庭的なので、いいコンビなのでしょう。　莱香が空に目をかけて、抱きしめたりしていたのは、可愛いから愛でているだけではなく、両親を亡くしたという事情を知った上で、優しくしていると思えます。　何を考えているのか分からない彼女ですが、実はいろいろ考えているんじゃないかなと。

そんなわけで、貧しくとも楽しい毎日を送っていたのですが、それが続くほど甘くはありませんでした。　まずはひなの保育の問題ですね。　3歳の子供を家に放置するわけにはいかないし、かといって保育園には簡単には入れません。　費用の安い公立の保育園はどこも満員ですから。　

祐太はなんとかなるという甘い見通しでしたが、空や美羽のほうが現実的で、自分の不甲斐なさを思い知ることになりました。　祐太としては、自分に全面的に頼って欲しいのだろうけれど、この有様では、「これ以上迷惑はかけられない」と言われても仕方ないのです。

そして、大家さんの退去通告ですね。　この手のワンルームは単身者用ですから、2人以上で住むことは契約違反です。　同棲くらいならば多めに見られることが多いですが、子供3人との同居は、さすにダメかもしれません。

大家さんの様子が、何度も描写されていました。　子供が遊んでいる声は、子供が好きでない人には騒音に聞こえるものですが、ひなたちが遊んでいるところを見ている大家さんには、それほど苛立たしい様子は無く、むしろ切なそうにも見えました。　大家さんにもいろいろ事情がありそうで、そこが現状を打開する糸口になるのかもしれません。

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