メルクマール

ショーとはいえ、わりと本格的な宇宙戦闘シーンがありました。　護衛艦側は本気で打ちかかってきていて、それを弁天丸が圧倒的な戦闘力で往なしている、という構図のようです。

小説には説明があるのでしょうが、映像では何が起こっているのかはっきりとは分かりません。　ビーム兵器なので、敵の位置さえわかれば100％命中しそうですが、護衛艦の射撃はなかなか当たらないようです。　電子戦によって、正確な位置が分からないようにしているのでしょうね。

ビームを撃ったら位置がバレそうなので、狙いが付かないのに闇雲に撃つのは下策に思えますが、欺瞞する技術があるのでしょうか。　あるいは、どうせバレていると諦めている？　いずれにしても、弁天丸側は護衛艦の位置を把握していました。

「３隻同時夾叉が可能だ。実力差を分からせてやろう」と言っていました。　夾叉とは海軍用語ですね。　戦艦などが砲撃戦をすると、数十キロ離れて撃つので、ピンポイントでは当たりません。　主砲を同時に斉射して、ある程度バラついて着弾するのですが、そのバラついた着弾の中心に敵艦を捉えた状態のことを夾叉と言います。

ビーム兵器はピンポイントで当たりそうですが、夾叉という用語を使うということは、確率的にしか当たらない事情があるのでしょうね。　敵の位置が確率的にしか分からないか、あるいはビームの軌跡を変える要素（地上での砲撃による大気の影響のような）があるのか何かでしょう。

それにしても、弁天丸は３隻の護衛艦を圧倒できる戦力があるのですね。　戦艦か巡洋艦級ということでしょうか。　あの護衛艦は、もっと小物を想定していて、戦争の生き残りの海賊船は反則的な存在なのでしょう。

戦闘前に、ブリッジが変形していました。　巡航時にはブリッジに窓があるけれど、戦闘時にはそれを閉じるようです。　オデット２世にはそもそも窓が無かったので、設計思想の違いが見て取れます。　でも船内に余分なスペースが無いのは、どちらも同じですね。

敵が段取り通りに動かないのを、茉莉香は気にしていましたが、実際、何か理由があるのでしょう。　急な仕事だったようですし、客船側が海賊と契約して、でも護衛艦側はそれを承服していなくて、本気で対抗してきたように見えます。　客船が先に降伏していましたし。　そもそも海賊ショーを要請したのは、密航することが目的と見るのが妥当でしょうね。

密航者の正体は、次回予告でネタバレしていますし、公式サイトの人物紹介にも以前から掲載されていました。　王家と海賊というのは、相容れないようで、繋がりがあっても不思議は無いと思えます。　私掠船船長のキャプテン・ドレイクは、エリザベス女王に深く信頼されていました。　世襲の王家に対して、世襲の海賊が代々仕えているというのはありそうな話に思えます。　興味深いですね。

冒頭の夢に出てきた天体は、どう見てもイトカワ（はやぶさが探査した小惑星）でしたね…

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