メルクマール

私掠船免許は、敵国の船に対して海賊行為をしてよいという免許であって、交戦状態の敵が存在しないと成り立たないので、平和な時代では何をやるのだろうと以前のレビューでも書いたのですが、こういうことですか…　客船などに対して、アトラクションとしての海賊ショー的なものを提供しているようですね。　「伝統芸能みたいなもの」と言っていたのは、レトリックでは無く、かなり実態に近いようで。

かつて弁天丸などの私掠船は、戦場で勇名を馳せていたはずです。　それが今や、ドサ廻りの旅芸人に堕してしまったのでしょうか。　いや、それだけでは無いと思うのですよね。　私掠船が本当にそういう無害な存在であれば、茉莉香のバイト先にまで、銃を持った怪しい男が来るのは妙だし、オデット二世が謎の船に攻撃されることもないはずです。

いわゆる『忍者』は、怪しまれずに旅をするために、旅芸人に扮することが多かったそうです。　この世界での『海賊』も、普段は旅芸人のような暮らしでカモフラージュしつつ、有事のために備えているのかもしれません。　戦闘訓練には余念がないようですし。

ただの私掠船と言えどもバカにはできず、かつての私掠船の船長、フランシス・ドレイクは、その功績が認められて大英帝国海軍の提督にまで上り詰めました。　弁天丸とその船長にも、なにか大きな意味があるのかもしれません。

『銀河帝国』なるものの存在が明らかになりました。　宗主国と植民星とで戦争していたら、そこにやってきた銀河帝国にまとめて征服されたと。　銀河帝国は内政不干渉だそうで、『星界の紋章』でのアーヴみたいな雰囲気ですが、なにやら複雑な力関係があるようなので、平和なように見えて、実は一触即発なのかもしれません。

宇宙で生きることの厳しさが、繰り返し語られます。　一瞬の判断ミスが死を招くというのは、まさに大航海時代の外洋のようなものなのでしょうね。　豪華客船が存在するなど、古き良き航海時代のオマージュが感じられます。

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