とても地味だけれど、とても面白い。 モーレツ宇宙海賊 第4話 『決戦は深夜』 のレビューです。
なにしろ地味ですよね。 宇宙戦闘といっても、敵の姿は見えず、一発の弾も撃たず、ただレーダーやコンピューターを駆使しているだけ。 でもおそらく、宇宙戦闘ってこういうものなのでしょう。 敵から身を隠しつつ探ったり、敵の目を欺いたり。 潜水艦戦を思わせます。
アニメでここまでまともに宇宙艦の戦闘を描いたのは、『星海の紋章』以来かもしれません。 あれは超未来の話ですが、この作品の技術レベルは現代の延長戦上にあるので、よりリアルに感じます。
現代の潜水艦戦をリアルに描いた作品としては、クランシーの『レッドオクトーバーを追え』が有名ですが、僕は同作者の『レッドストーム・ライジング』をお勧めしたいですね。 より現実に即した設定で、潜水艦同時の静かで激しい戦闘が描かれています。 あと、『フルメタルパニック』の潜水艦戦も読みごたえあるものでした。
マリカは射撃管制用レーダーを発射していましたが、あれは潜水艦で言えば『アクティブソナー』ですね。 こちらから大きな音を出して、その反射で敵を探すので、隠れている敵を発見しやすいけれど、自分の位置を晒すことになります。 オデット2世の場合、場所は最初からバレているので、そういう意味のリスクはありませんが、射撃管制レーダーをむやみと発射するのは、常識としてよくないことではあるようです。 それはそうでしょうね。
そもそも練習船なのに、射撃管制システムや敵味方識別のある戦術レーダーを積んでいるのは変な話ですが、いつでも軍艦(あるいは私掠船)に転用できるようにしているのでしょう。 それなりに、戦争の危機は身近にあるのではないでしょうか。
敵の超小型のステルス宇宙艇が、レーダーでは見つからなかったけれど、太陽センサーで見つけたというのも面白い。 人工衛星や惑星探査機などの宇宙機は、太陽センサー、地球センサー、星センサーといったものを積んでいます。 それらで計測した情報から、自分の絶対位置を割り出すわけです。 オデット2世の太陽センサーは、単に太陽の位置が分かるだけでなく、かなりの解像度があるようで、その太陽を隠す微小な影から、敵の宇宙艇を発見したのでした。 レーダー等から身を隠すために太陽を背にしていたのでしょうけれど、それが仇になったわけですね。
マリカの作戦は、囮を使ってオデット2世のふりをさせるというものですが、ということは、囮を出している間、オデット2世は隠れる必要があります。 砂赤星をターンしたと見せかけて、裏側に隠れるのかな。 でも帆船がすぐに止まれるのだろうか。
宇宙帆船は、帆で光を受けて進みます。 太陽の光を受けるものを太陽帆船と言いますが、オデット2世は太陽に向かうこともできるようなので、人工的な光のビームを受けて進んでいるのかもしれません。 NASAもその手のものの研究をしています。 宇宙船が進むためには推進剤(噴射するもの)が大量に必要で、その推進剤を運ぶためにさらに推進剤が必要で、とどうしても効率が悪くなりますが、宇宙帆船は推進剤を運ばなくてよいという点で、効率が良いのです。
実際のヨットと同様、宇宙帆船を戦闘機動させるのは難しいはずで、囮と連携させて動かすのは高度な操艦テクニックが必要でしょうね。 次回、それが見られることになるのでしょうか。 ちなみに(海の)帆船の戦術に興味がある方は、『海の男ホーンブロワー』のシリーズがおすすめです。 次回もあまり見た目が派手になりそうにはありませんが、とても楽しみですね。
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多分、パーテーション切ってそこにOSコピーする感じなのでは?電子戦上の囮ってことで。
あとオデット二世は元々白鳥号という電子戦用スティルス海賊船と二話で言ってたので、船体を解体しないと兵装がはずせない構造になっているから、レーダーなど昔のままだとか。
スターシップオペレーターズがおすすめです
2005年位の作品だったと思います
なるほど、デコイと言っていたので、潜水艦戦での囮魚雷(デコイ)のようなことをやるのかと思っていたのですが、電子的な囮でもいいのかもしれません。
射撃管制システムなどは軍事機密のはずで(敵に渡ると著しく不利になるので)、民間に払い下げたときに普通は撤去すると思うのですが、あの高校はきっと、平和なだけの学校ではないのでしょう。
>アニメでリアルな宇宙戦といえば スターシップオペレーターズがおすすめです
水野良さん原作のですよね。気にはなっていたのですが、まだ観ていません。機会があればぜひ見てみたいと思います。
実は日本のJAXAが実証試験中なぅだったりします。詳しくはイカロスで検索です。イカロスと言っても九州の片田舎にやって来た未確認生物のことではありません(爆)
私が例に挙げたNASAのものは、太陽光も使えますが、レーザービームを受けて推進できるもので、オデット2世の仕組みにより近いと思います。