メルクマール

いわゆるバトルロイヤルものでは、「最後に残った一人だけが勝者」という設定なので、参加者同士が共闘しつつも、裏切るのではないかと疑心暗鬼になる心理戦が見どころです。　なので由乃や圭悟との共闘も、どこかで壊れるのだろうとは思っていました。

それにしても早かったし、ショッキングな形でしたね。　由乃の可愛いところを描いて、「いい子じゃないか」と思わせておいてから、どん底に突き落とすという。　もとからストーカーだったけれど、さらにサイコが入った最悪のストーカーのようです。

とはいえ、彼女がこうなったのには理由があるでしょう。　周囲からは優等生だと思われていたのに、「将来何になりたいか」というアンケートに答えることができないという、心の闇を抱えている。　そして、家族の愛情に飢えている雪輝を見て、突発的に「お嫁さんになってあげる」と言う。　おそらく彼女も、家族の愛情に恵まれていなくて、でもそれを求めているので、自分が誰かと家族を作ることで、それが満たされることを渇望しているのでしょう。　だから雪輝が「大人になったら（お嫁さんにしてあげる）ね」と冗談で言ったことを本気にして、雪輝に執着するようになり、愛情に飢えた負の感情を、雪輝にぶつけているのでしょうね。

みねねも、幼いころに両親を失ったトラウマがあるようです。　家族の愛情に飢えていることが、日記所有者の資格なのかもしれません。　

でも由乃の”負の感情”の量は尋常ではなく、両親からネグレクトされているくらいでは、ああはならないと思え、何か重大なキッカケがあったはずです。　そのヒントは、電気が来ていない暗い屋敷や、開かずの間にあるはずです。　単純に考えれば、由乃が両親を殺して開かずの間に隠している、ということになりますが、それだとあまりに救いが無いので、そうミスリードさせられている気もします。　なんだかんだ言っても、由乃がヒロインだと思うので。　

この作品は2クールものだそうで、まだまだ序盤なので、先は読めませんけどね。　バトルロイヤルもので生き残るには、ルールに従っていてはダメで、ゲームを壊す必要があるものです。　雪輝と由乃が協力してゲームを壊し、『HAPPY END』になることを願っています。

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