メルクマール

トラブルに巻き込まれた時、一縷の希望があると、それに縋りたくなるものですが、その希望が失われると、絶望はより深くなります。　岡部はその状態でしょう。　Dメールをすべて取り消せば、世界線が元通りになって、まゆりは死なずにすむという希望が、彼を動かしていました。　でも、それをやってしまうと、今度はクリスが死ぬことになるという、二律背反の状況に追い込まれます。

絶望した岡部は、マッドサイエンティストを演じる余裕さえも失くすのですが、そんな彼を救ったのはまゆりでした。　岡部がマッドサイエンティストという「設定」を演じるようになったのは、そもそもまゆりのためです。　そしてそれが、ずっとまゆりの支えになっていたことを知った岡部は、自信を取り戻し、自分が何のために行動しているのかを思い出したのでしょう。

まゆりかクリスかで悩んでいたのは、どちらも失いたくないという、彼自身の想いのため、つまりある意味『自分可愛さ』だと言えます。　自分を守ろうと汲々としていると、トラブルに陥ったときに、不安や後悔に囚われて、前に進めなくなるものです。　でも自分のためではなく、誰かのためであれば、強くなれるものではないでしょうか。　家族のためとか、仕事仲間のためとかですね。　

僕も、岡部ほど深刻ではありませんが、トラブルに巻き込まれてキツイ状態なので、今回の岡部にはとても共感できます。　自分のためではなく、まゆりのためという目的を思い出したことで、彼は力を取り戻したのでしょう。　鬱々と悩む時は終わり、ここから彼の活躍を見られると期待しています。　僕もがんばらないとな。

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