家族は重荷にもなれば、救いにもなるものです。 TIGER & BUNNY 第17話 『Blood is thicker than water. (血は水よりも濃い)』のレビュー。
レジェンドと虎徹は、共に能力減退に直面したという共通点があります。 レジェンドは、ヒーローとしての使命感が暴走して、八百長まがいのことに手を染め、家庭では荒れるようになってしまいました。
虎徹も、同じことになる可能性があったのです。 でも、彼とレジェンドは、家族へのスタンスが違いました。 レジェンドは、ヒーローとしての存在意義が第一で、夫や父親としての意義はその次だったのでしょう。 ヒーローでありさえすれば、家族の尊敬も得られるはずだと。 このスタンスは危うくて、ヒーローとしての自信を失ったとき、家庭人としての自信も失ってしまうことになります。 彼にとって家族は、むしろ重荷だったでしょう。
虎徹は、ヒーローとして市民を守るという使命感も強いけれど、それよりも家族のためのヒーローであることが第一だと思えるようになりました。 それは大事なことなんですよね。 誰しも、仕事などで失敗して、自信を失い、「俺は所詮、この程度なのだろうか。俺は何も成し遂げられないのだろうか」などと煮詰まってしまうことはあるはずです。 そんな時、「まぁ最低限、家族を食わせて、守ることができればいいわけで、それさえ出来れば俺は存在意義を果たしたはずだ」と思えることは、本当に救いになります。 撤退できる最低ラインを、確保できているから。 虎徹も、そんな気持ちに違い無く、家族に救われたのでした。
だから彼は、レジェンドのようにはならず、後進に任せて引退するという、辛い決断をすることができました。 偉いですね。 偉いけれど淋しいですね。
楓は10歳にしてはマセていますが、両親が身近にいないことで、精一杯気を張って生きる必要があったからでしょう。 本当は、もっと子供子供していてもいい年頃です。 虎徹は、楓が年相応に甘えられるように、守ってあげるべきなのです。
楓は、自分がNEXTであることに気付いているのかな。 これは伏線になりそうですね…
ここから、虎徹の田舎暮らし編が始まるのかな。 楓や、虎徹兄の出番が増えるならば嬉しいけれど、そうはならない気もします。 虎徹はヒーローたちの精神的支柱のような存在で、本来は個人主義者の集まりであるヒーローがなんとなくまとまっているのは、虎徹の力が大きいと思えます。 むしろ心配するべきは、虎徹ではなくて残されたヒーローたちかもしれません。 そしてヒーローたちがピンチになったとき、虎徹はどうするでしょうか。
ポチっとして頂けると励みになります!↓

最近は一人でもポイントを稼いでますが、それも気軽に虎徹の休暇を了承出来るほど信頼してるから
なのですが、他人の心配は幾らでもするけど、向けられる好意には酷く鈍い虎徹は自分の存在意義をよく分かってないかもしれませんね
ブルーローズにしても歌手と両立してヒーローもちゃんとやろうと思えるようになったのは虎徹のおかげで、恋心を自覚してしまった今となっては、彼に去られるのは厳しいでしょう
その辺、最後に大きな事件に関わらせて整理していくのかもしれませんけど
ところで、子供がNEXTに覚醒すると親の能力は減退していくのでしょうか
レジェンドと虎徹の例はそれを示唆していそうですが、二代続けて覚醒する事が稀であり、その上こういう原理だとしたら確認するのも難しいでしょうね
ヒーローたちは、虎徹を中心に繋がっていると言ってもいいくらいで、そんな虎徹を失うと、彼らはどうなるでしょうか。
「子供がNEXTに覚醒すると親の能力は減退していく」というのは面白いですね! あり得るかもしれません。だとすると、互いに能力を受け継いだ、ユーリと楓の2世対決というのもありえるのでしょうか。
でもそんなことは虎徹にはできないと思います。
それがわかっていたのが母親と兄と妻だったのではないでしょうか。
「何かあったの」
はそういうことではないでしょうか。
虎徹が帰ってくるのは「自分」に何かあったときだけ。
でなければ帰ってくるなんてできない。
とあるレーサーの話のレーサーの婚約者は同じようにレーサーを愛し結果レースを棄権させようとした女に言ってました。
「誰にも止められない、見ていることしかできない。とめても先に続く(延びる)だけ」
と。
虎徹も同類で、
最後には自分しか見えなくなる
最後には自分の思いを通すために全てを捨てる
悲しむ人の顔や大切な人の顔など飛んでしまう
そういう人間ではないでしょうか。
病室での話はそれを表しているのかなと思います。
何を言われても残るという選択肢もあるけれど、虎徹にはないことがわかっていた。虎徹の優しさ、愛情が邪魔しているだけで誰かが背中を押せばそのまま走っていってしまう。
そういう人間だってわかっていたからああいったのではないでしょうか。
「約束」は自分が死んだあと虎徹が迷わないようにだったのではないでしょうか。
ヒーローとしてしか生きれない生き物だから自分で自分を殺してしまわないようにしてから逝ったということなのかなと思います。
なのはが一度撃墜されたことで自覚していた
「私はいつも自分のことばっかりで、きっとやさしい母親になる資格なんてありません」
を虎徹は知らずにいたのではないでしょうか。
>虎徹の田舎暮らし編が始まるのかな
個人的には、全部夢オチでもいいかなと思います。
OPに恥じないように、違和感もないほど綺麗になくなっているページに書かれていたはずの夢。
夢から覚めた虎徹にあるのは殺風景な部屋とトップでいるための生活、トップであるための食事、そしてトップでいるための孤独。
楓まで捨てて手にしたトップの座とレジェンドの名。
ミッシングリンクを調べたら、
生物Aが生物Cに劇的に進化したとき、その間にあったかもしれない進化の途中の生物Bのことをいうらしいので、そういうのもありかなと思います。
楓のNEXT発現の結果はこんなのはどうでしょうか
アカデミー入学。
それを機に二人を元に戻そうとする虎徹兄が住所の書かれたメモ片手に虎徹の部屋を探しているのを遠くにしながら
一番でかいビルのモニターに映し出されるタイガー改めレジェンドとなった虎徹の活躍を見ながら
「あんなのもう父親でもなんでもないじゃない」
と呟く楓とかそんなオチもみたいかなと思います。
もしくは、バーナビーはいいお父さんしていてテレビでもベストファーザー賞とかとっているけれど、その裏では子供達もブルーローズも入れない部屋の中はすごいことになっていて虎徹の映像が流しっぱなしのテレビ、そこらじゅうに散らばるタイガーの記事だけ切り裂かれた雑誌、そして壁にはナイフで貼り付けにされたタイガーの写真といったいどれだけ殴ればつくのかというような拳のあとが…その部屋をバーナビーには秘密で楓に見せながら、「あなたのお父さんの選択は多分間違ってない、ヒーローはこうまでしないとやってられないの、私にはできなかった…きっとあなたを不幸にしたくなかったのよ」みたいなのを次回予告の一緒にいた二人から未来はそんな感じかなとか妄想してます。
そんなどこまでも張り詰めたヒーロー達の方が劇的な変化としてはいいのかなと思います。
震災後、仲間、助け合い、なでしこうんぬん繋がり系やら勇気をもらった系の報道ばかりなのであえて人間一人でもここまで強くなれるのだってな作品もいいのかなと思います。
あなたはここまで頑張りましたか、もっといけるんじゃないですか
伝勇伝での「立ち止まったとしてもけつを叩いて歩かせる、だから歩みを止めることはないだろう」
的な作品もありかなと思います。