紅莉栖をめぐる人間模様。 Steins;Gate 第11話 『時空境界のドグマ』 のレビューです。
前回のレビューで、Dメールによる過去改変は、ゲームでセーブポイントに戻るのとは違うと書きました。 倫太郎はDメールを送っても、送った時点の過去に戻れるのではなく、そのDメールによって改変された結果を知るだけだからです。
でも紅莉栖の提案のように、現時点の倫太郎の記憶データを、過去の倫太郎の脳内に送り込むことが出来れば、倫太郎が過去に行ったのと同じことになるでしょう。 これにより「セーブポイントに戻る」が実現するわけです。
しかし、本当の意味で、過去の自分の人格と入れ替わるには、記憶だけではだめなはずで、”意識”をまるごと送る必要があるのでは。 そしてそうなった場合、過去でそれまで倫太郎に入っていた意識はどこに行くのでしょうか。 また、Dメールを送った後の倫太郎の意識はどうなるのでしょうか。
”意識のデータ化”というテーマは、SF作家のグレッグ・イーガンが、掘り下げた作品を多く書いていて、それが以後のSFに大きな影響を与えたので、”イーガン以後”という言葉があるくらいです。 Steins;Gateも、意識の問題に踏み込むとしたら、イーガンに影響を受けた、”イーガン以後”の作品だと言えるのかもしれません。 ってか、イーガンの「ひとりっ子」を思わせる部分はあるかな。
紅莉栖が、焦点になりつつあります。 萌郁は、紅莉栖がSERNのスパイだと言いました。 そして鈴羽は、以前から紅莉栖を敵視しています。 まゆりも、倫太郎と急接近した紅莉栖を意識しているような。 まゆりがラボに泊まることにしたのは、紅莉栖が泊まるからでしょう。 考えてみれば、紅莉栖が殺されたところから、この物語は始まっているので、紅莉栖が焦点なのは当然なのでしょう。
でもまだ、どうなるのか全然わかりません。 今回語られた父親との確執も、本筋と関係あるのかどうか。 ともかく、紅莉栖と他の人物との関係に注目しながら、観ていきたいと思います。
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雰囲気かなりいいですね
最後のシーンでもわかるようにとても人間くさいオカリンがどう動いていくか楽しみです
岡部はそう解釈したようですけど、鈴羽のバレバレな正体を考えてみると、そのニュアンスの違いは大きい気がします
紅莉栖を含めた3人のうち、誰かが嘘をついている(あるいは間違えている)わけで、手掛かりとして重要なところだと思うのですが。まだ何とも言えません。
タイムリープにおける意識の取り扱いについては、一応原作では言及されています。
アニメのテンポや話数を考えると仕方がないのでしょうが、理論等の深い考察、会話の場面はかなり省略されていますね。
タイムリープにおける意識の取り扱いについては以下の様な設定でした。
・クリスの研究室は、人格に相当する意識部分までのデータ化には成功していない。
・脳から取り出せるのは側頭葉にある記憶領域のみ
・意識部分は送らないので万が一、他人が携帯電話に出ても人格が変更される可能性は低いと思われる(実験してみないと分からない)
・送られるのは記憶のみなので、受け取った過去の自分は未来を「思い出す」感覚。
この様な設定でした。恐らくアニメ版でも
特に変更は無いと思います。今後の展開を理解する上で
お役に立てば。
なるほど、”意識”の問題は避けているようですね。現実的とは言えます。
でも、過去に記憶を飛ばすだけでは、「自分が過去に戻った」とは言えないように思えます。伝言の豪華版みたいなものなので、タイムリープとは言いがたい。
そのあたりが、どう表現されるのかは興味があるところです。