ストーリーとして面白いし、渡来さんが魅力的ですね。 俺たちに翼はない 第11話 『妹萌えという概念を知っているか?』 のレビューです。
多重人格という設定は珍しくないですが、多重人格であることを知っている人格と、知らない(気付いていない)人格が混在しているというのは、ユニークな気がします。 その設定を生かした展開でした。
やはり、切りこんだのは渡来さんでしたね。 これまで鷹志は、辛いことがあると、グレタガルトや他の人格に逃げていました。 いつでも逃げられる避難場所があったのです。
でも、渡来さんからマウントポジションでグーパンを浴びせられたことで、どこにも逃げられない状況になってしまった。 交渉担当の鷲介の口先は通用せず、荒事担当の隼人も、女性相手ということで手を出せず。 ガルーダは勇ましのは口だけで役立にはたず、身を守るためには、鷹志自身が痛みを受けるしかないというところに、追い込まれたのでした。
精神疾患の治療のために、何らかのショックを与えるという治療法はあります。 電気けいれん療法や、飢餓療法など。 命の危険を感じると、防衛本能によって正常化される(こともある)のあるのかもしれません。 渡来さんは最初はそこまで考えていなかったでしょうけれど、人格がめまぐるしく変わる様子を見て、手ごたえを感じて殴り続けたのでしょう。 手を痛めるのも構わずに。
渡来さんは、登場したときは正統派のヒロインかと思いましたが、意外とサバサバした性格で、でも鷹志に対しては真剣で、最後はグーパンで殴りつけて更生させるという、複雑で型破りなヒロインでした。
鷲介や隼人は、結局は鷹志の避難場所で、お助けキャラなんですよね。 二人は鷹志を甘やかしていますが、鷹志がそういう風に作ったのであれば当然です。 鷹志が人格の本体なのでしょう。 ではヨージは何かということですが、あれは子供時代の鷹志なのでは。 背格好が小さいし、古いテレビを見ています。 子供時代に閉じ込もった人格であり、ヨージと鷹志が一体化することで、彼らの多重人格は解消するのでしょう。
鷹志は何かを決意したようですが、何なのか気になります。 ヘテロクロミア(オッドアイ)のコンタクトを手にとっていましたが(いかにも中二病的なアイテムですが)、関係あるのかな。 そして、どのヒロインとくっつく結末になるのだろう。 次回の最終話が、いろいろ楽しみです。
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選り取り見取りのはずの同年代の男の子でもなく、同じ外見で人間的魅力のある鷲介や隼人でもなく、ただ鷹志のみを愛するのは彼が空想世界に親しむ存在だからなんですよね
今では自然に笑えるけれど、渡来さんは本質的に誰とも話が合わない、人間に興味がない人であり、当然ながら現実の男の子にも興味がないわけで
他の人には痛いばかりのはずの鷹志の空想癖は、彼女にとっては惹かれる部分だという
こんなヒロインはちょっといないと思いますけど、なるほど二人はお似合いだと思えます
鷹志が変に更正してしまったら彼女にとっては魅力が無くなってしまうので、そのままでいいから現実にも適応して貰いたい
そんな彼女の気持ちがよく出ていた今回の行動だった気がします
渡来さんの、人間嫌いという設定は、アニメを見ている限りではあまり実感がありませんね。そういうことを言ってたな、とは思いますが。ゲームでは、もっとじっくり描写されたのだろうなと思います。
そこを差し引いても、優雅な美少女然とした態度と、パンチを食らわせるアクティブさを兼ね備えた、ユニークなヒロインでした。
渡来さんは、鷹志のちょっと病的なところに惹かれた部分はあるだろけれど、基本的には、更生してほしいと思ってるんじゃないでしょうか。そのために、グレタガルドのネタバレをしたのですし。