メルクマール

僕はPSP版のゲームをやっていまして、アニメの後日談にあたるので、京介が桐乃を連れ戻す展開になることは知っていました。　でも、どういう理由で連れ戻すのかは知らなかったので、気になっていたのですが、「お前がいないと淋しい」と泣きついて連れ戻すとは、予想外のシンプルさでした。

でもあれは、本音半分、方便半分なのでしょう。　桐乃がSOSを出していたのは明らかだったのです。　桐乃のメールは、自分のことを気にして欲しい、助けて欲しいというサインで、親父殿はそれにすぐ気づいて、京介も遅ればせながら気づきました。　そして実際に会って話をして、これは無理にでも連れ戻すべきだと確信したのでしょう。　意地っ張りの桐乃を連れ戻すには、みっともなくても泣き付く必要がありました。

京介は、何度も桐乃が好きだと公言しているのですが、それは実は方便で、でも実は本音もあって、という複雑な構造になっています。　だんだん、本音の比率が増えているように思えますが。

一方で、桐乃が京介をどう思っているのかは、ほのめかすだけで、直接的な表現はありません。　それがいいところです。　想いは秘めていたほうが、より強くなるから。

桐乃が、ライバルに一回だけ勝ったという話をしたとき、黒猫が意地悪く、「それはいつのことなのかしら」と聞いて、桐乃の慌てさせました。　　想像するに、桐乃は京介に告白まがいのことを言われて嬉しくて、今ならば勝てる気がして、その足でフィールドに行き、ライバルと勝負したのでしょう。　そしてそのパワーで勝ってしまったと。　そうだとしたら、どんだけ京介のことが好きなんだという話ですが、あくまでほのめかしただけです。

主要人物が全員登場して、それぞれに見せ場を作ったのも、最終回らしい構成でした。　ネット配信でよかったですよね。　テレビサイズには収まっていないので、もしテレビでやったら、もっと慌しくなっていたでしょう。　

このアニメは、兄妹の恋愛という禁断のテーマに挑んでいて、二人が着実に惹かれ合ってていく様子を、直接的ではなく間接的な心理描写でやりきった、ユニークな作品でした。　終始楽しめましたね。　今後の展開も気になるところで、2期はやりそうなので期待しています。　

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