メルクマール

自分がそうだから分かるのですが、ポジティブなことを口にする人、切り替えが早いように見える人は、人一倍、傷ついたり落ち込んだりしやすいのではないでしょうか。　しょっちゅう落ち込むから、切り替えるためのテクニックを身につけるのです。

小坂ちひろは、月曜日で落ち込むエルシィに、「それは考え方次第よ。（中略）例えば、水曜日を週の始まりと思えばいいじゃん」とアドバイスします。　お気楽な発言に聞こえますが、そもそも月曜日がブルーだという感性が無ければ、そういう考えは持たないわけで、根っからお気楽なのではなく、お気楽でいられるように努力しているのです。

告白した相手にフラれたとき、ちひろは桂馬の心配も裏腹に、あっさり切り替えて、新しい恋を目指すことにしました。　でも、告白したときの真剣さや、フラれたときの涙は本物だったと思えます。　これもまた、努力して切り替えているのでしょう。　そうしないと、彼女の人一倍、繊細な心が耐えられないから。　桂馬は上辺しか見ていなくて、心配して損したと思っていますが。

言っていることと心の中が裏腹、という点では、桂馬もそうです。　彼は「リアルなんか下らない。興味が無い」と言いますが、それにしては、リアルに影響されまくっていますね。　本当にリアルを捨てているのであれば、リアルな女性になんと言われても気にしないし、「リアルなんて下らない」と皆に宣言して、自分を正当化する必要も無いのです。　バーチャル世界（ネットなど）で人を罵って満足するのが、立派なバーチャル廃人というものです。

リアルを否定して、でもリアルを捨てきれない桂馬は、袋小路に入り込んでしまいます。　そんな彼の前に、1期でヒロインだった高原歩美が現れました。　彼女は桂馬との記憶を失っているはずですが、桂馬は歩美とのことを覚えていて、彼自身は何か変わったはずだから、それに歩美が影響されているのかもしれません。　桂馬は、リアルで自分が成し遂げてきたことを思い出して、自分を取り戻すことができるでしょうか。

「モブキャラがヒロイン」という設定は、なんとも面白いですね。　たしかにちひろは、典型的なヒロインの条件を全て外した、アンチヒロインと言えるでしょう。　ゲームのモブキャラは、魂の入っていない、そこに居るだけの存在ですが、リアルにはモブキャラはいません。　どんな女の子も、彼女自身の物語のヒロインです。　それに気付くことが必要なのでしょう。

ポチっとして頂けると励みになります！↓