けっこういいものもあったのに、最後は残念なことに。 H2O ~ FOOTPRINTS IN THE SAND ~ 第12話 「H2O」 のレビューと総評です。
琢磨の目については、前回の私の解釈はハズレで、目が見えていたのは琢磨の妄想だったようです。周囲の人は、ずっと盲人として扱っていたと。公式HPには、”目が見えてないという伏線がちゃんとあったのですよ”という種明かしがあります。
いわゆる叙述トリックですね。視聴者は琢磨の視点で見ていたので、琢磨の妄想世界を見ていたのだけれど、真実は別にあったというわけです。 でも、それを知った上で2話を見直してみたのですが、「これは目が見えていないと無理だろう」というシーンが大量にありますね。その最たるものは、行ったことがないはずの はやみ の住処に一人で行き、制服を見つけ、はやみの裸を見て驚いたりするところです。
これを説明するためには、「視聴者が見ていた映像は実は2種類あった」ということになります。つまり「周囲の人が見てる客観的な映像」と、「琢磨の妄想を描写した映像」です。 公式HPにある種明かし映像は前者で、僕が指摘したところは後者ということになりますね。 しかし、これはアンフェアです。
叙述トリックというのは視聴者を騙しているわけなので、種明かしの段階で、「なるほど、それなら騙されていても仕方ないな」と納得させることが必要です。 映像に2種類の視点があったのであれば、それが判別できる手がかりを視聴者に与えていなければフェアではありません。そうでないと、視聴者が気づきようが無いからです。 でも、そういうものは無かったと思えます。
アニメで叙述トリックをやるのは難しいと思いますよ。至難の業でしょう。チャレンジしたことは凄いと思いますが、アンフェアな叙述トリックはむしろ不快感があるので、半端にやるならば、やらないほうが良かったと思えるのでした。
そして最終回ですが・・・ 「母親の死は自殺ではなく、それに気づいたときに琢磨の目が見えるようなる」という展開は、良いと思えます。でもそこで、はやみが死ぬ必然性は無かったのでは。ここでは、自殺でないことに気づきさえすればよいので。 でも殺してしまって、ラストでなぜか生き返るという展開は論外です。なんじゃそりゃと。
サブタイトルの「FOOTPRINTS IN THE SAND」の詩の、最後の部分が読まれました。苦しい時に足跡が一人分だったのは、神が男を背負っていたからだ、という話なのですが、 では”神”と”男”は、それぞれ誰を象徴しているのでしょうか。神がはやみで男が琢磨? いまいち、言いたいことがわかりませんでした。
最終回なので総評を。 5話~9話あたりの流れは、とても良かったのですよね。特に9話は神回認定してもよいくらい。でもそこからは落ちる一方で、最終回でガッカリでした。とても、もったいないです。
ストーリーは、良い回もあったので、平均点以上をあげて良いと思えます。キャラクタも、絵は好みではないけど性格描写は悪くない。 問題は、フェアではないことです。目のこともそうだし、最後に生き返るのもダメ。「これまでの話は、いったい何だったんだ?」と思ってしまうのですよ。 だから総合は3点ということで。プラスとマイナスで相殺です。 もったいない作品だったなぁ・・・
ストーリー | ☆☆☆☆_ |
キャラクタ | ☆☆☆__ |
音楽 | ☆☆☆__ |
フェアネス | ☆☆___ |
総合 | ☆☆☆ |
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はやみは音羽のように精霊になって戻ってみたのかもしれませんからね。最後のこの展開を視聴者の好きなように受け取らせるのは悩むの困りますね。
なるほど、精霊として、琢磨にしか見えない幻として戻ってきたということですか。その解釈もアリですね。
子供になっていた音羽は何なのでしょうね。琢磨とはやみの子供、という意味かとも思ったのですが、そういう既成事実は無さそうだし・・・ そこはそれ、精霊であればなんでもアリでしょうか。
とゆうのがありまして今思えば意味はわかるのですが、最初はおろか、アニメがはじまっても意味なんて全然わかりませんでしたよ。まさかキャッチコピーにまで驚かされるなんておもいませんでしたね。
この歳になるまで知りませんでした、
いゃぁぁぁ~、アニメって勉強になります、
もちろん、メルクマールさんのブログもですけど。
どうにも、この作品に違和感があるので、
あっちこっちのブログさんの感想を読んでいるのですが、やっぱり最後のオチの違和感は拭えないです。
まぁ、人の感想を読みたくなる作品と云う意味では有意義ですけどねっ(笑)
では、
そんなキャッチコピーがあったのですか。
「見た物を信じるな」はいいんだけど、そのシーンが事実なのか妄想なのか、わかる手がかりが無いと、夢オチと大差無いのですよね・・・
他の方のブログを見ていると、「最後で生き返ったので良かった」と書いてる方も、けっこういますね。 でもそれだったら、そもそも死ななければ良かったのでは、と思うのですよ。あそこではやみを殺さなくても、物語は成り立つはずで。
「死んだと思ったキャラが実は生きていた」というのは、ドラマとして盛り上がるので多用されますが、最低限、理由をつけてくれないと。精霊会議なんて言われても、それこそ夢オチなのですよね。