メルクマール

いつもとは違うパターンでしたね。　桂馬があまり活躍しないという。　まぁ、桂馬が出来るのは、女の子の心を溶かして駆け魂を追い出すところまでで、あの状態の駆け魂には、生身の人間では手を出せないだろうから仕方ないでしょう。　ハクアに「一人だとまた失敗するぞ」と忠告したり、エルシィにハクアを追いかけさせたりと、出来る範囲のサポートはしていました。　

その分、エルシィの活躍が光りました。　エルシィは既に駆け魂を五個も集めているということで、ハクアに言わせれば信じられない実績だそうですが、それを可能にしたのは何でしょうか。　もちろんバディの桂馬が優秀だからだけれど、あの気難しい変人の桂馬とやっていけるのは、エルシィがあくまで素直に、心から桂馬を崇拝しているからです。　それが、桂馬ををうまく乗せて、この実績に繋がったのですよね。

仲間を尊敬して、励まして、やる気を出させることは、立派な資質でしょう。　それが、ハクアに対しても発揮されました。　エルシィのまっすぐな気持ちが届いて、ハクアが自分を取り戻したのです。

ハクアは努力家で、演習では優秀だったようですが、実戦で上手くいかないのは、成功体験が無いからでしょう。　自分の経験でも、全く新しい仕事をやることになり、それが上手くいかないと、途方にくれてしまうことはあります。　何が悪くて上手くいかないのか、思い当たるところが無数にあって、どこから手をつけたらいいのかわからないのですよね。　

そういう場合は、問題を一番シンプルにして、とにかく一度、成功するパターンを見つけることです。　一回成功させれば、あとは何か問題が起こっても、成功したパターンと比べることで、悪いところを見つけることが出来るようになります。　何より、「ちゃんとやればうまく行くはずだ」という自信が出来るのが大きいのです。

ハクアは、駆け魂の捕獲をエルシィに任せて、自分はサポートに徹することにしました。　適材適所のいい判断だし、やることをなるべくシンプルにするのが、この場合重要です。　かくして駆け魂の捕獲に、共同作業とはいえ成功したので、これは大きな自信になったでしょう。　もう、ハクアは一人でもやっていけるはずです。

なかなかいいストーリーだったし、エルシィとハクアの演技が良かったですね。　真剣さと葛藤が伝わってきました。　これまでは、問題が解決すると、ヒロインの記憶が無くなっていたのですが、ハクアはそういうことは無いので、今後もレギュラーキャラとして登場するのかな。　楽しみにしておきます。

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