視聴者をわざと混乱させようとしているのだろうけれど、やりすぎな感も。 俺たちに翼はない 第5話 『なんたるホーク卿の徳高きことよ!』 のレビューです。
前回、鷹志、隼人、鷲介の3人は、同じ体を共用していて、時間をずらして出現する、ということがわかりました。 でも、「それってどういうこと?」と不明点は多く、その説明が掘り下げられるのかと思ったら、それは置いておいて、さらに謎なシーンのオンパレードでしたね。
鷹志のモノローグを信じれば、彼はどこかの王国の王位継承者で英雄であり、学園にいるのは転生した仮の姿、ということになります。 でも、それを素直には信じられません。 まず、設定があまりにも中二病的妄想で、いまどきこの設定をマジでやるとは思えず、これはパロディだろうと思うからです。 次回予告でも、DJコンドルが「今日も見事な中二っぷりでしたね」と茶化していました。
また、姫の侍女に誘惑されるシーンで、登場人物が役を演じているようなメタな演出が入りました。 ほかにも、大量の登場人物の二つ名(ネーミング)が、どんどん投げやりになってきたりとか、全体にパロディっぽさが漂っています。
鷹志が咳をするのが、「召還」の合図のようですが、あれはいわゆる、喘息の発作なのではないでしょうか。 喘息の発作で脳が酸欠状態になることで、幻覚を見ることがあると聞いたことがあります。 鷹志は喘息もちで、発作の時の幻覚を、「召還」と呼んでいるのではないか。 目の前が光に包まれるのも、酸欠状態っぽい描写です。
となると、「召還(発作)の感覚が日増しに短くなっている」のは良くありません。 「終わりが近いのかな」とか、「もうすぐこの世界から消えてしまう僕」と言っていますが、これはつまり、余命が短いということなのでしょうか。 死から目を背けるために、「今は転生した仮の姿で、やがて元の世界に戻る」と考えるようになった?
そのことと、隼人や鷲介との関係は、わからないのですけれどね。 彼らの存在も、鷹志が生み出した幻覚なのか、どうなのか。
あと、小鳩の様子も変でした。 寝ぼけていたときは「兄に甘える妹」といった風だったのに、電気を点けて隼人の顔を見たとたん、「誰?」と我に返り、以後はギクシャクした様子でした。 これは何を意味しているのだろう。 彼女も複数の人格を持ってるとか?
謎が収束するどころか発散していて、何がリアルで何がフェイクなのか分からず混乱していますが、あと何回かで落ち着くのでしょうから、がんばって観たいと思います。
渡会さんの、つかみどころの無いキャラは、なかなか好きですね。 サバサバしているのか、世話好きなのか、鷹志にベタぼれなのか、良くわからないところがあるのですが、その不安定さに惹かれます。 まぁ、彼女も鷹志の幻想なのかもしれないけれど。
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