スポ根ものというよりは友情ストーリーか。 もしドラ 第3話 『みなみは人の強みを生かそうとした』 のレビューです。
今回は2つのことがありましたね。 部員にやる気を出させるための練習メニューの話と、ショートの桜井祐之助を呼び戻す話です。
前者については、練習メニューを作ったのがみなみ自身では無いのがミソです。 「練習をなんとかするべき」という方向性を定めたのはみなみですが、実際に監督と協力してメニューを作る部分は、文乃にまかせていました。
女子マネージャーに一般的に求められる役割は何でしょうか。 たぶん、雑用、練習スケジュールの管理、スコア付け、ムードメーカー、あたりでしょう。 文乃は、ムードメーカーとしての資質には欠けていますが、だからマネージャー失格かといえば、そうではありません。 組織は複数の人間から成り立っているので、互いの長所だけを生かし、短所は互いにカバーすることが可能で、それがサブタイトルの「人の強みを生かす」ということです。
文乃には、練習スケジュール管理の才能があったようで、それを見抜いて、目標を与え、任せたことがみなみの手柄です。 いいマネジメントでした。 そして、競争を取り入れた練習メニューを作ったのは、文乃と監督の手柄でした。
過度に競争させるのは、不公平感が生まれたり、勝てない人がやる気を失ったりする弊害がありますが、チームプレイによるゲーム感覚ならばアリなのでしょう。 そのあたりの塩梅はうまく行っているようです。
目標管理も大切ですね。漠然と「がんばれ」と言っても、人は動かないもので、最終目標と、それに至る道標(マイルストーン)を決めて、どこまで到達しているかをチェックすることで、目標を達成しようという動機が生まれます。
文乃にはムードメーカーの才は無いと書きましたが、そこをカバーしたのがみなみでした。 桜井を説得して呼び戻すことが出来たのは、彼女の熱意が伝わったからだし、彼女が浅野から信頼されていたからでもあります。
花江をスカウトできたのも、彼女の人徳と、野球部の雰囲気の良さのおかげでしょうね。 人を生かすマネジメントが出来れば、さらに人材が集まるという好循環になります。 マネージャーのチームも強化されました。
ところでこの作品、所々にみなみのクマのキーホールダーのカットがあります。 OPのラストのカットにも出ますが、ペアのキーホールダーのようで、もう一方は夕紀が持っているのでしょう。 二人の友情の証ですね。 そもそも、みなみが野球部に関わったのは夕紀のためなので、この作品の骨格は二人の友情ストーリーなのでしょう。 となると、二人の間に何かが起ったりするのかが、気になるところです。
ラストで、みなみがいろんな部から引っ張りだこになるシーンは、ちょっと白けました。「ドラッカーに出会ったことで、こんなに幸せになりました」という、宗教的な胡散臭さがあるからです。 でも予告編を見ると、どうやらこれは次回への伏線っぽいですね。 楽しみにしておきます。
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