なるほど、ドラッカー入門としてよく出来てます。 もしドラ 第2話 『みなみはマーケティングに取り組んだ』 のレビューです。 1話のレビューも書いていないので一緒にやります。 原作小説の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』は読んでいません。
『マネジメント』も、実はちゃんとは読んでいないのです。 エッセンスは知っているつもりなのですが。 この作品で勉強したいと思います。
高校野球の女子マネージャーが、勘違いからドラッカーを読むことになる、という導入は面白いですね。 でも、女子マネージャーはありていに言えば雑用係で、野球部をマネジメントする立場では無いですから、どうするのかなと興味深々でした。
そしてその活動の第一弾が、夕紀のお見舞いにかこつけた面談でした。 これはとても上手いですね。 マネジメントの第一歩は顧客へのマーケティングで、チームメンバーを顧客ととらえれば、まず彼らが望むものを聞き出すべきでしょう。 それを女子マネージャの立場で、自然に行うことが出来ました。
本来は監督がやるものなのでしょうけれど、女子マネージャーだからこそ、本音が聞ける部分はあるはずです。 狭い病室でパジャマの女の子と向き合うことで、高揚感も手伝って、いろいろ喋ってしまいそうだし。 ナイーブで気難しい浅野君も、その効果か率直に喋っていました。
あんまりいい例え話では無いかもしれませんが、外資系企業の人事部で、社員の首切りを専門に担当していた人の本を読んだことがあります。 日本企業では、従業員を勝手に首にはできませんから、穏便に辞めてもらうためにいろいろテクニックがあり、その一つに、「面談には女性アシスタントを同席させる」というのがありました。 男性の場合、女性の目があったほうが取り乱しにくく、冷静に対処できるからです。
これは汚いテクだと言えますが、みなみのやり方は罪はなく、本音を聞き出せたのでオッケーでしょう。 そして、それを監督に話したことで、監督の反省を促すことが出来ました。
マネジメントの本質は、自分がスタンドプレーをすることではなく、組織のメンバーを生かして、そのパワーを最大化することです。 みなみの影の努力が、 監督と浅野の和解をもたらし、組織が良くなったわけなので、正しいマネジメントをしたと言えます。 なるほど、女子マネージャにもマネジメントが出来るのですね。
夕紀がいいですね。 直接は関わることができないのだけれど、みなみの相談役になっていて、夕紀と話すことでみなみの考えがまとまっていきます。 汗臭いスポーツのシーンと、静かな病室での少女たちのシーン対比の良さもあります。 夕紀の存在は、この物語にとても大きいでしょう。
なかなか、期待できる導入でした。 マネジメントの両輪は、『マーケティング』と『イノベーション』ですが、みなみがどうやってイノベーションを起こすのか楽しみです。
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