今回は合戦もなく、一段と地味だったけれど、それでも独特の緊張感があります。 へうげもの 第3話 『天界への階段』 のレビュー。
緊張感があるのは、左助が常に、試されているからでしょう。 千宗易に試され、信長に試され、さらに明智光秀の宴席でも試されました。 そのたびに緊張が走ります。
左助は今回も、正しい選択をしたようです。彼がそうできる理由は、いつもまっすぐだからでしょう。 忠義にまっすぐで、欲にもまっすぐです。 この難しい時代を生き抜くには、それが一番大事なことなのかもしれませんね。 まっすぐに生きているからこそ、時代の傑物からも一目置かれるようになったのでしょう。
千宗易が、面白いですね。 聖人君主のように描かれるのかと思ったら、なかなかの曲者でした。 彼が『荒木』を使ったのは、それをネタに左介を強請って、もう一つの荒木を取り返すことも、頭にあったと思えます。 でも左介が正直だったので、自分で正面から頼むことにしました。 いずれにしても、彼も欲望に忠実な一人の人間でした。
欲望は人を動かします。 信長が天下統一にあと一歩まで到達できたのは、軍事力もありますが、堺の町を支配して、その財力を活用できたことが大きいのです。 信長は堺を支配するために、有力な商人を仲間に引き入れました。 「欲しいものを与えれば人は動く」という言葉は、そういうことでしょう。
信長としては、左介のように欲望に忠実な人間は、むしろ傍に置いて安心できるはずです。 欲望さえ満たしているうちは、裏切りませんから。 左介が金を取ったことを褒めたのも、そのためでした。
一方で、明智光秀は、欲望だけでは動かないようです。 信長からもらった高価な茶釜を、使おうともしません。 欲よりも大事なものがあって、それの殉じる覚悟があるのでしょう。 裏切るのはこういう人物です。 あの『本能寺の変』の予兆がありますが、それを使われた茶釜で察するというのが、左介らしいところですね。
名品名席コーナーは、今回も面白かった。 「瀟湘八景図 尾垂釜」ですが、なんと底が壊れていて、その壊れっぷりに味があると、評価されているのですね。 高度な美意識だと思えますが、それがこの時代に既にあったということで、日本人はすごいなぁと思います。
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個性強いキャラクター達がいっぱいいますが、信長は格が違うって感じでした。
その格が違うという感じが画面がからも伝わってきてよかったです。
ていうか、どこの戦闘民族ですかって感じの体してて笑っちゃいました…w
信長は、いろいろすごいですね。 力也さんの演技も素晴らしい。
いーじすさん、今期はへうげものの感想しか書かれていないみたいですね。渋いですw