メルクマール

前回のレビューで、タイムマシンや世界線についてつらつら書いたのですが、それとほとんど同じ説明をやっていました。倫太郎の周囲で起こっている、つじつまの合わない出来事は、彼が違う世界線に迷い込んでしまったということで、間違いないのでしょう。

ジョン・タイター って人は、2000年頃にリアルに話題になっていたそうですね。そういえば聞きかじったことがあるような？　自称未来人で、いろいろ予言をしたのですが、あまり当たっていないようです。でも彼のタイムマシン理論は、SFとして面白いところはあります。この作品は、ジョン・タイターの理論を下敷きにしているのでしょうか。

電話レンジについては、意外な展開でした。レンジに入れたはずのバナナが、なぜか元の房に戻って、そこでゲル化しているという。でも考えてみれば、倫太郎が携帯電話を使うと世界線が移動するようなので、レンジを起動するために電話を使ったタイミングで、バナナを１本だけ入れた世界線から、バナナを丸ごと入れた世界線に移動したのでしょう。でも、ゲルに変質したのは一本だけなのが謎です。この現象は何かのヒントなのでしょう。

キャラがかなり増えましたね。ギャルゲー原作なので、ゲームとしてのボリューム確保のため、女性キャラが多いのは仕方ないところです。でも、それなりに個性的なキャラでいいかもしれません。特にメイドのフェイリスがいいかな。倫太郎の電波トークにノリノリで付いてきていますが、あれは彼女も電波さんというわけではなくて、相手に話を合わているのでしょうね。なかなかのプロ意識です。

小ネタとして、ニュース映像に『NAN』と読めるロゴが入っていたのにニヤリとしました。放送局のロゴなのでしょうけれど、NANとは『Not a Number』の略で、コンピュータによる計算結果が不正になった、という意味です。ゼロで割ったとか、負の平方根とか。いわば「数ではない数」です。　人工衛星の墜落という非現実的な映像に、『NAN』のロゴが意味深でしょう。

牧瀬クリスは、倫太郎とは面識が無かったようだし、講義でも軽くあしらっていましたが、なぜか倫太郎のオフィスまで押しかけてきました。彼女の目的は何なのか。なぜ、講義のテーマにわざわざタイムマシンを選んだのか。もしかして彼女が未来人？　まだ人物紹介モードですが、少しづつ物語も動き始めています。

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