メルクマール

どのあたりが赤毛のアンかといえば、まずはヒロインの境遇ですね。アンは孤児で、働き手として、農村に住む初老の兄妹、マシューとマリラの家に引き取られます。客観的には辛い境遇のはずなのですが、アンは新しい未来に夢を膨らませて、明るく前向きです。

しかし、マリラはしつけに厳しく、アンも気が強いので、対立したり、周囲の住民とトラブルになったりして、子供ながらに大いに悩みます。でも、持ち前のまっすぐな心と前向きさで周囲の人々を感化し、彼女自身も成長していくのでした。

ということで、この作品と重なるところがあるのではないでしょうか。緒花の、自分を物語のヒロインに見立てる、夢見がちな性格もアンを思わせます。好きになれそうなヒロインです。

ところで、西尾維新の『猫物語』で、阿良々木暦君が、赤毛のアンについて大いに語るシーンがあります。 彼に言わせれば、マリラは究極のツンデレキャラであり、最初はツンツンしていたのに、最後にはアンにデレデレになるところがたまらないと。だからマリラの声は釘宮理恵さんで再生されると。それはどうかと思いますが、ツンデレというのは言えています。　あの女将も、次第に緒花にデレることになるのでしょうか。実の孫ですしね。

ビジュアルも期待通りで、風景の美しさと、日常描写の細やかさは出色。　true tearsで成功したように、ノスタルジックな町並みを背景に、若者たちを瑞々しく描いてくれることでしょう。やはりこれは期待作です。

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