全体のほとんどが編集会議という、最終回としては地味な展開なのだけれど、ハラハラさせてくれて飽きさせませんね。密室での論戦ということで、ちょっと法廷物を思わせます。『十二人の怒れる男』とか。
単調な密室物を面白くするには、登場人物たちの個性が出ることが必要でしょう。他人の意見に流されやすい人、押しの強い人、理路整然としている人など。編集者たちの性格を考えながら、この回を見ると楽しめます。これまであまり出番の無かった、直接の担当者以外の編集者たちの個性がかなり分かった気がします。
そして、編集長がいいですね。彼は一貫していて、3話までのネームが面白いかどうか、ほとんどその一点で決めています。他の編集者は、将来性とか年齢とかを気にするのだけれど、編集長はそんなことはほとんど考慮せずに、今現在の実力だけを見るのですね。それは確かにフェアだと言えます。先のことなんて分からないわけだし。もしうまくいかなければ、また入れ替えればよいというドライな考え方でもあるのでしょう。「漫画は面白ければいい。面白ければ連載される」という持論を、実践しています。
最終回にして、やっとサイコーと亜豆が電話するという展開も、ロマンチックでいいんじゃないでしょうか。やはり会話はぎこちなく、言葉は少ないのだけれど、お互いを大切に思う気持ちが十分に伝わってきました。
福田さんや中井さんは、惜しかったですね。特に中井さんは応援しているので残念でしたが、次に繋がる結果だったうようだし、ぜひまたがんばって欲しいです。精一杯戦ったという、すがすがしさを感じる敗者たちでした。
平丸さんってのは、とんだ伏兵でしたね。どんな漫画を描くのだろう。彼についてはほとんど何も語られていないので、2期への布石なのでしょう。
連載作家になるという、最大の難関を突破したサイコーたちですが、これから彼らには、どんなドラマが待っているのでしょうか。2期が決まっているようなので、楽しみに待つことにします。
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